桐島かれん/1964年、作家・桐島洋子の長女として神奈川県に生まれる。86年にモデル活動を開始し、93年に写真家の上田義彦と結婚、4児の母。現在は、さまざまな国の手仕事や文化をエッセンスにしたファッションブランド「HOUSE OF LOTUS」のクリエイティブディレクターも務める 写真提供 スタジオオーデュボン
桐島かれん/1964年、作家・桐島洋子の長女として神奈川県に生まれる。86年にモデル活動を開始し、93年に写真家の上田義彦と結婚、4児の母。現在は、さまざまな国の手仕事や文化をエッセンスにしたファッションブランド「HOUSE OF LOTUS」のクリエイティブディレクターも務める 写真提供 スタジオオーデュボン

 持続可能な世界の実現のために「自分にできることは何か」を考えるとき、世界の現状に目を向けることも大切なこと。積極的に海外ニュースメディアを視聴したり、売っているものの産地やフェアトレード商品であるかをチェックしたり、まずは関心を持ち、行動することがSDGsへの第一歩だ。

【画像】インドの工房を訪ねる桐島かれんさん

 累計100万部突破の「超基本」シリーズ最新刊『やるべきことがすぐわかる 今さら聞けないSDGsの超基本』では、性別も年齢も置かれた環境も異なる著名人にインタビュー。SDGsを「自分ごと」としてとらえるためのヒントを紹介している。

 そのひとり、モデルの桐島かれんさんは、自身のブランド「ハウス オブ ロータス」を通じて、世界の優れた手仕事や文化を伝えている。桐島さんの世界への興味や多角的な視点は、家族との会話で育まれた。彼女との一問一答を公開する。

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――アジアやアフリカなどの手仕事雑貨や手工芸品を買い付けていらっしゃいますが、きっかけはどんなことでしたか。

 母に連れられて幼少期から世界を旅するうちに、観光よりも、その国の人たちがどんな服を着て、どんな食器で食事をしているのか、そんな人びとの日常の暮らしや文化に深く興味を持つようになりました。日本では失われつつある手仕事が、例えばインドやタイ、インドネシアではまだまだ残っていて、まるでタイムトラベルしたような新鮮な驚きがたくさんあったんです。

 日本ではプラスチック製の大量生産品がもてはやされた時代、丁寧に編まれたカゴやひと針ひと針刺繍された服など……とにかく美しく魅力的に感じて、自分のために工芸品を買い集めました。

 世界各地の優れた手工芸品は完成度が高くて、真似できない素晴らしい技術がたくさん詰まっています。決して劣っているわけではないのに、ブランド化されていないために知名度が低く、正当に評価されていないのが残念です。

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安く買おうとすることが何を生むのか