その後も小選挙区で当選を重ねた後藤田氏だったが、前回2021年の衆院選では小選挙区で敗北し、初めて比例復活での当選となった。

 後藤田氏陣営の支援者がこう話す。

「前回の衆院選は劣勢と伝えられていたので、奥様の真紀さんが徳島入りしてくれれば盛り返すことができると待望していましたが、実現しなかった。後藤田氏の女性スキャンダルが繰り返し報じられ、真紀さんとうまくいっていないのかと、心配する声が多々ありました。今回は知事選で、衆院選のように比例復活がない。ぜひ、真紀さんには徳島入りして後藤田氏の横に並んでほしいと期待しています」

 3月24日朝、後藤田氏は徳島県板野町で街頭演説を開催。弁士に招いたのは、自民党国会議員時代の同僚で、石川県知事の馳浩氏だった。

「自民党の部会で紙をなくす、タブレットにと言い出したのが後藤田さん。70歳のおじいちゃんの国会議員が、紙でなければと言っていたが資源節約、経費削減。党職員も大助かり。後藤田さんは見ての通り、生意気で正論を言い、反感も買う。だが言うべきことを言う、先を見通す、それが政治の仕事」

 馳氏は、こう述べた後、お互いの妻に触れた。馳氏の妻は、人気タレントの高見恭子さんだ。

馳浩氏の妻でタレントの高見恭子さん
馳浩氏の妻でタレントの高見恭子さん

「彼は私を見習っている。私の妻、知っていますか? 高見恭子。最初の選挙には来てもらったが以降27年間、女房を選挙に呼んでいません。芸能事務所と契約があり損害になりかねない。(選挙に来ると)妻は政治の色、自民党とつき、2度と仕事ができない。だから私も来なくていいと言っている」

 馳氏が言うと、後藤田氏も、

「そう、私も呼んでいない」「お互いに仕事がある」

 と呼応した。馳氏が続けて、

「妻は『私行かないと当選できない?』と心配してくれます。後藤田さんも同じだと思いますよ。けど、オレが政治したくて、後藤田さんも本人がやりたくてやっている。私も後藤田さんも妻を尊重している。だから選挙には呼ばない。私は5回くらい離婚したと噂されて、愛人までいると怪文書まで出された。けど、今日も朝5時に女房に羽田空港まで送られて、徳島空港に到着した」

 と、自身の夫婦仲をネタに語ると、後藤田氏は苦笑していた。

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他陣営が警戒「真紀さんの人気は後藤田氏より絶大」