新しい自分を再生している今が、充実してとても楽しいと語るRIKACOさん。(写真は提供)
新しい自分を再生している今が、充実してとても楽しいと語るRIKACOさん。(写真は提供)

――50歳にしてYouTubeを始められたのはなぜですか。

 きっかけは長男の提案だったんです。とはいえ、YouTubeチャンネルが私の日常をただ映すだけの、趣味の世界ならばやる必要はない。当初は迷いも多く、何をテーマにしてやるかをはっきりさせようと話し合って、人の役に立てるコンテンツがいいよねと。それで、体を温めるハーブティーだったり、手荒れを防ぐハンドクリームや便利なキッチンアイテムだったりとか、自分が実際に試して良いと実感したものを紹介するようにしています。女性特有の体の悩みや対処法を打ち明けたところ、反響もありました。気持ちが前向きになったり、暮らしをよくするヒントが得られたり、そういったコンテンツならば、発信する意味があると自分でも納得したんです。

――パワフルに活動されていらっしゃいますが、一方で「終活」もされているとのこと。

 母親が急死だったんです。いろいろと整理はしてくれていましたが、あまりに急だったので、深い悲しみのなかで細々とわからないことがたくさんあって大変でした。人の死は突然くることもあると母親の死が教えてくれたことから、息子たちのために自身の整理もすぐに始めました。息子たちが困らないように保険や相続のことなんかを整理して伝え、遺言状ももう書いています。

 そういったこともあり、歳を重ねていくなかで、時間を大切に楽しもうという意識が強くなっています。無理な人付き合いならば自分のための時間を優先したいですし、何回かはわかりませんが、これから私に来る春と夏と秋と冬一つひとつを大切に、この桜の時期にはどこに行ってどんな料理を作ろうとか、そういったことも楽しく考えるようになりました。

――自身を高めるために、生き方のモデルとする人はいますか。

 たくさんの女性からインスパイアされていますが、特定の人はいません。ただ、ずっと抱いている目標は、リーバイス501と白いヘインズのTシャツがいつまでも似合う女性でいたい、ということ。いずれもメンズアイテムで、究極にシンプルなスタイルです。それを自分のものにし、美しいと感じさせられるかどうか。

 私は10代からファッションの仕事でたくさんの洋服を着てきましたが、20歳ごろからすごく悩んだのです。ハイブランドの華やかな服やメイクで飾り、体形ばかり注目されるけれど、私自身はどこへ。自分なりに出した答えは今も変わりません。外側に負けない土台作りこそ本当の美しさで、ノーメイクでリーバイスこそ着こなせる。体を気遣うケアやオーガニックへのこだわりは、全てそこに繋がっているんです。とはいえ、年相応でナチュラルでいるのは大変なこと、そのための努力は人一倍しているつもりです。好きなことに一生懸命でいることも、内側からの輝きに繋がるはずです。私には、アドバイスをくれる心強い息子たちもいます。

 16歳で衝撃を受けたリーバイス501は、いまも勲章のような存在。いつまでもフィットするような生き方で、歳を重ねていきたいと思います。

RIKACO/モデル、タレントとしても活躍。自身の経験や資格を活かし、食や美容、ファッションなどの情報をYouTubeチャンネル「RIKACO LIFE」やインスタグラムで発信。2020年にはライフスタイルブランド「LOVE GIVES LOVE」を立ち上げ、新たに洋服ブランド「LOVE GIVES LOVE écru 」も展開(23年3月14日オンライン発売開始)。

(構成/AERA dot.編集部・市川綾子)