新しい教育に取り組む学校を紹介する連載「学校最前線」。今回は、クリエイティブな教育に力を入れる新渡戸文化小学校を取材しました。現在発売中の「AERA with Kids 2022年秋号」(朝日新聞出版)から紹介します。
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1948年開設、新渡戸稲造氏が初代校長を務めた新渡戸文化小学校は、「自分だけでなく、周囲が幸せになるために尽くすこと」を目指し、「ハピネスクリエイター」を学校の最上位目標に掲げます。杉本竜之校長はこう語ります。「それが世に生まれた大きな目的だと、新渡戸先生はおっしゃいました。また、教え込むのではなく、新しい知識を得たいという気持ちを起こさせること。学校の中だけではなく社会とつながりながら学ぶ『学俗接近』も大切にしていました」
ハピネスクリエイターを実現するために、「自律型学習者の育成」を自校の役割としています。
「大人が与えた答えに向かっていくのではなく、子どもが自分で育つ学校にしていきたい。学校のルールも子どもたちで作り直しています。例えば、朝登校したら体育着に着替えるルールがありましたが、全校ミーティングで検討し、3年生からは一律に着替えではなく、自分で判断することになりました。自分で考え、課題を発見できるように成長してほしい」(杉本校長)
同校の方向性を象徴する取り組みの一つが「プロジェクト科」です。総合的な学習の時間を活用し、子どもたちが主体的に学び、その成果を発信しています。ルールは「4つの約束」だけで、子どもたちが話し合ってプロジェクトを決めているそうです。
「昨年の3年生は、自分の住んでいる町を詳しく調べ、文化祭で発表しました。その際、旅行会社HISの協力を得て接客を学び、プロさながらに町の良いところをプレゼンテーションしました。また、今年の6年生は修学旅行で岩手県の被災地を訪れました。災害について学ぶだけでなく、現地の暮らしや産業に触れながら『自分にとっての幸せとは?』を突き詰めて考えました」(栢之間倫太郎先生)
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