お笑いコンビ・オードリー
お笑いコンビ・オードリー

 5月12日、お笑いコンビ・オードリーが3年前に武道館で披露した漫才の動画が500万再生を突破したと報じられ、話題になった。バラエティー界ではすでにおなじみの2人だが、ここ最近は特に勢いが増している。コンビとしてのレギュラーはテレビとラジオで9本。若林個人ではさらに4本のテレビレギュラーを持ち、春日も単独でさまざまなバラエティー番組に呼ばれ体を張り続けている。

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 中学時代の同級生だった若林正恭(43)と春日俊彰(43)が2000年にコンビを結成、2005年からオードリーとコンビ名を改め、2008年にM-1グランプリで準優勝という爪痕を残すと、瞬く間にブレーク。いまだに新作漫才に対するこだわりを持ちながらも、レギュラー番組も増やし続けるのはなぜか。お笑い界に詳しい放送作家はこう語る。

NHKで不定期にやってきた『のぞき見ドキュメント100カメ』がこの4月からレギュラー番組になりましたが、コンビでNHKのレギュラーを取れたのは、国民的な人気を勝ち得たということ。オードリーはデビュー後、革新的なズレ漫才でブレークのきっかけをつかみましたが、当初は春日さんのキャラを前面に押し出すキワモノ色が強かった。しかし、若林さんの安定したトーク力やMC力、そして春日さんもひたむきに体を張り続ける姿が大人から子どもまで間口の広い人気につながりました。帯番組をやっているわけでもないのに、2人とも単発でのバラエティー出演がとても多く、タレント出演本数ランキングでは常に上位にランクイン。芸歴22年の中堅芸人ですが、まだまだ伸びしろのある」

 2009年にスタートしたラジオ番組「オードリーのオールナイトニッポン」も今年で13年目。“リトルトゥース”と呼ばれるリスナーとの絆はとても強いと言われている。

「2人ともアメフト部出身で部活ノリも得意ですし、しゃべりのテンポも心地いい。春日さんが結婚直前に浮気をしたことが週刊誌でバレた際、若林さんが生放送中に本気でブチギレるほど、二人のむきだしの人間性がよくわかる番組です。リスナーからは『春日事件』として伝説になっていますが、その後は無事に結婚した奥さまが生放送に出演して春日事件の経緯を改めて振り返るなど、この番組で2人は絶対に手加減をしないため、リスナーとの絆がより強いものとなっているのだと思います。ラジオ特有の“モテない男たちの心の支え“としての機能も果たし、すでにカリスマ的番組になっています」(同)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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