■うらやましい、との距離感

 うらやましい、って気持ちは火に似ていると思うんだ。火とちょうどいい距離を保っていられれば、あたたかくて気持ちがいいし、キラキラしていてきれいだね。だけど、それを「欲しい!」って思ってあまりに近づいちゃうと、やけどしちゃうんだ。距離感が大事っていうのかな? きっとこうくんの友だちは、そのうらやましいっていう火に近づきすぎて、その火が燃え移ってやけどしちゃっているんじゃないかな。だから、その熱くて痛い気持ちを君にぶつけてるんだと思うんだ。

 友だちはこうくんのことをライバル視しているけど、こうくんはその子のことをライバル視していないっていうのも、その友だちは気にしているのかも。要は片思いなわけだから、どうにかこうにか君を振り向かせたくって、攻撃的な態度に出ている可能性もあるね。

 芸能人という仕事をしていても、よくあるんだ。よしおは「そんなの関係ねぇ!」っていうギャグでたくさんテレビに出ていたとき、「どうせ消えるよ」とか「一発屋!」とか「面白くない」ってたくさん言われていた。言葉の体当たりだね。最初はよしおも、もやもやするから「一発屋じゃねえよ!」とか言い返してたんだけど、相手の言うことを否定するのってすごくエネルギーがいるから疲れちゃって……。

 私生活でもお酒の量が増えたり、不規則な生活になったり、体調を崩したりした。本当なら仕事やネタ作りに使うべきエネルギーを、言葉の体当たりをはね返すために使っちゃってたから、本来がんばらなきゃいけないことがおろそかになっちゃったんだ。

 それからは、相手の行動をやめさせる、つまり嫉妬の火を消そうとすることはしなくなって、自然に消えるのをただ待つことにしたんだ。よしおの場合は相手が知らない人だったり、遠くにいる人だったりしたから、嫌な言葉を見ないようにしたり、気にしないようにしたりするだけで自分の状況は変えられたんだ。

NEXT小島さんがこれまで受けた”体当たり”で印象的なのは…?
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