栃木県で電車内での喫煙を男子高校生に注意されたことに腹を立て、男子高校生に暴行を加えたとして、宇都宮市内の飲食店従業員宮本一馬容疑者(28)が逮捕された事件。周囲に乗客がいたにもかかわらず、男子高校生が10分以上にわたり殴る蹴るなどの暴行を受け、顔面骨折などの重傷を負ったことはショッキングだった。

 報道によると、23日正午ごろ、宮本容疑者はJR宇都宮駅から電車に乗った。1つ先の雀宮駅を過ぎたあたりで寝転がって喫煙をはじめたという。近くに座っていた男子高校生が「やめてもらえますか」と喫煙をやめるよう注意したところ、宮本容疑者は逆ギレ。高校生を土下座させ、一方的に暴行を加えたという。男子高校生の父親によると、「(宮本容疑者に)駅から降ろされて。『降りないと、周りの友達もやるぞ』みたいなことを言われた」ため、自治医大駅のホームで下車した後も暴行は続いた。宮本容疑者の同行者と男子高校生の3人の友人は暴行を止めようとしたが、他の乗客の中に止める人は誰もいなかったという。男は「相手がけんかを売ってきたのでやり返した」「正当防衛だった」などと供述している。

 SNS上では「周りの大人がなぜ止めに入らなかったのか」、「見て見ぬふりをした他の乗客の態度も良くない」などのコメントが見られるが、スポーツ紙記者は「暴行の映像を見ましたが、周囲の客も恐怖を感じたのでしょう。あれだけ暴行を続けるのは異常です。ナイフとか凶器を持っている可能性がありますし、暴行を止めたくても足が動かなかったのではないでしょうか」という見方を示す。

 大きな反響を呼んだ事件は、各局の情報番組で取り上げられた。25日放送のフジテレビ系「めざまし8」でMCを務める俳優・谷原章介は「本当にこの28歳の容疑者は大人として恥ずかしいし、公共の列車内でたばこを吸っちゃいけないのは当たり前のこと。それを年下の子に注意されて改めるのでなく、暴力に出るなんて本当に許せないですね。ケガしてしまったことは本当にかわいそうですけど、彼は全然悪くないし、僕とか(コメンテーターの)武井(壮)さんがその場にいたら、絶対に守ってあげたいと思う」と怒りをにじませていた。

次のページ