巨人・中田翔 (c)朝日新聞社
巨人・中田翔 (c)朝日新聞社

「マック」鈴木誠。

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 米国での野球生活を球場住み込みからスタートした男。メジャーリーグまで上り詰め、その後も国内外問わず多くのリーグでプレーした。文化、慣習の違いを数多く経験したマックが、いまだ問題視されている中田翔巨人)を巡る一件について独自の視点から語ってくれた。

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●「体育会系の縦社会におけるメリットを感じなくなったから反発したのではないか」

 NPBのペナントレース争いが激化する中、いまだ沈静化の気配を感じられないのが中田問題だ。8月4日のエキシビションマッチの開始前、日本ハムの同僚に暴力を振るったとして11日に無期限出場停止処分となった後、20日に巨人へ移籍し翌日に試合出場を果たした。日本ハムの一員として事件への正式謝罪がなかったこと。巨人への移籍入団会見での謝罪となったこと。その他多くの要素が絡み合い、中田、日本ハム、巨人への批判が殺到した。

「巨人は戦力と考えて補強したということ。移籍や謝罪方法うんぬんに関しては中田君個人には関係ない。殴られた相手選手に関して言えば、我慢の範疇を超えてしまったのだろう。中田君は実績、知名度など素晴らしい選手。日本ハム、パ・リーグの顔であり、侍ジャパンのユニフォームも着た。将来的に監督、コーチになる可能性もあった。そういった先輩とうまく付き合っておくことも処世術として考えれば大事。今まではイジられても耐えるメリットが大きいと思ったから多少我慢していたのだろう。それを感じなくなり自分自身が平常心で野球ができないほどになったのかもしれない」

「昔から言われる体育会系の縦社会は、世間から見れば考えられないし、古臭いかもしれない。でもそれで救われている人が今でもたくさんいる。例えば、大学の先輩に進路や仕事を紹介してもらったりできる。これは体育会系だけでなく一般社会も似たようなもので就職活動ではいまだにOB訪問などがある。大手企業ほど学閥などは残っている。そういうのをゼロにするのはできない。米国や他の国ならそういうことは関係ない場合もあるけど、アジア圏の特殊な文化でこれが現実。早く生まれたから、早くから野球やっているからって上から来る人も多い」

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「僕なんて10代の早い段階で…」