稲田朋美衆院議員は7月、自著「強くて優しい国」を上梓した(撮影・上田耕司)
稲田朋美衆院議員は7月、自著「強くて優しい国」を上梓した(撮影・上田耕司)
今回の総裁選は不出馬を明言した稲田朋美氏(撮影は昨年/上田耕司)
今回の総裁選は不出馬を明言した稲田朋美氏(撮影は昨年/上田耕司)

 自民党総裁選(9月17日告示、29日投開票)で再選を目指す菅義偉首相。それに対して「ポスト菅」として前政調会長の岸田文雄氏が出馬表明した。ほかかにも、前総務相の高市早苗氏や政調会長の下村博文氏なども出馬に意欲を示している状態だ。行革相や政調会長、防衛相を務めた稲田朋美衆院議員の目には今回の総裁選はどのように映っているのだろうか。本人に聞いた。

【写真】マスクをはずしたときの表情は?

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 解散・総選挙の風向きにも影響を与える総裁選の行方。今回は、前回の「簡易型」とは違い、国会議員だけでなく、全国の党員・党友も投票に参加する。日程が決まる前から連日、総裁選関連のニュースが世間を賑わせていた。

「総裁選についての大量の報道を見ていると、党内がすごくざわついている感じを受けます。こういう時はあまりガタガタしない方がいいんじゃないかな、と私は思いますね。自民党が政権を失った2009年、麻生内閣の末期も内閣支持率が低迷し、党内はガタガタしました。焦ると、かえって良い結果は得られないんじゃないかと思っています」

  菅首相は今回の総裁選で再選を目指す意向を示しているが、党内からは「菅氏では総選挙は戦えない」という声も漏れる。7月の東京都議選で予想外に苦戦、8月22日に投開票だった横浜市長選では菅首相が推した候補が敗北。地方選挙では連敗続きで、新型コロナウィルスの感染拡大も止まらず、党内では若手、中堅を中心に「菅離れ」が起きている。

 稲田氏は、菅内閣の1年をどのように評価しているのか。

「この1年、菅さんのどこがどう悪かったのか、聞かれても、そう明確に答えられないと思うんですね。コロナの感染拡大が止められなかったのは、菅さんだけの責任なのかというとそうではない。今、誰が総理をやっても難しい局面なんですよ。昨年9月の総裁選では、自民党の主要な派閥を含め、議員のみなさんが菅さんにやってもらいたいと考えて総裁を託した。それをわずか1年で支持率が落ちたからといって、衆院選挙前に選挙戦を有利に運ぼうと総理を変える。その考え方がおかしいと思います。ここで目新しくするよりも、菅内閣で国民の審判を受けるべきではないでしょうか」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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