森喜朗さん、上野千鶴子さん 「対極にある」二人は同じ高校の出身だった (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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森喜朗さん、上野千鶴子さん 「対極にある」二人は同じ高校の出身だった

小林哲夫dot.
日本オリンピック委員会の発言について記者会見する、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会森喜朗会長、2月4日(c)朝日新聞社

日本オリンピック委員会の発言について記者会見する、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会森喜朗会長、2月4日(c)朝日新聞社

 およそ思想的に対極の立場にあるだろう森喜朗・元首相と、上野千鶴子・東京大名誉教授。2人には共通項がある。

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 石川県立金沢二水高校の卒業生だ。

 森喜朗さんは同校1956年卒(8期生)。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の身でありながら、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」と話し、のちに謝罪した。これまでも「子どもを一人もつくらない女性が、好き勝手とは言っちゃいかんけども、自由を謳歌し楽しんで年取って、税金で面倒見なさいっていうのは本当はおかしいんですよ」(西日本新聞 2003年7月3日)など、女性を蔑視する発言を繰り返してきた。

 上野千鶴子さんは森さんより11学年下で同校1967年卒(19期生)。フェミニズム、ジェンダー研究の第一人者として、女性差別問題について多くの提言を示してきた。今回の件で、「森会長の発言は、女性の意見表明を抑圧する効果があります。余計なことを言わずに黙ってろと同じ」「偏見に満ちたミソジニー発言」「性差別を再生産している」と厳しく批判する(AERA.dot 2021年2月5日)。

 金沢二水高校の学校史『二水五十年』(1998年)。森さんが登場するページをめくると上野さんがあらわれる(410ページと412ページ)。この取り合わせはすごい。金沢二水の学校史の編纂者には失礼ながら、大いに笑わせてくれた。
 
『二水五十年』で2人の寄稿を紹介しよう。

 森さんは「21世紀の教育制度」というタイトルでこう書き始めている。

「二水高校の五十年のあゆみの中で自らが学んだ頃の思い出を綴るのであれば、過去を懐かしんで歩んできた道に幾分かのセンチメンタリズムと青春礼賛を交えて語ることも可能ですが二十一世紀の二水について記すということになれば、改めて日本の教育改革に関しての私見を述べる必要があり、その事を抜きにして二水高校のバラ色の未来を語るにはいささかの逡巡を禁じ得ないのが正直な感想です」

 いたってまじめである。このあと、森さんは日本の教育制度をふり返って課題をいくつか取り上げて、これらをただすために「初等教育八年、中等教育四年、そして高等教育四年に分けられるべき」「弊害と矛盾が露呈している六・三・三・四制度の枠組みを越える教育制度改革論議を抜きにして、母校である二水高校のバラ色二十一世紀を語れぬ時期に来ている」と訴えている。中身は、官僚的で紋切り型の抽象表現が多い。失言はなく、おもしろみがない。


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