ヤリマンボウの死がつなぐハシブトガラスの生~海と陸の意外な繋がり~ (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ヤリマンボウの死がつなぐハシブトガラスの生~海と陸の意外な繋がり~

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澤井悦郎dot.#マンボウ#動物
哀愁漂う座礁したヤリマンボウ(c)角野智海

哀愁漂う座礁したヤリマンボウ(c)角野智海

座礁したヤリマンボウの死体を突くハシブトガラス(c)吉田麻里子

座礁したヤリマンボウの死体を突くハシブトガラス(c)吉田麻里子

●澤井悦郎(さわい・えつろう)/1985年生まれ。2019年度日本魚類学会論文賞受賞。著書に『マンボウのひみつ』(岩波ジュニア新書)、『マンボウは上を向いてねむるのか』(ポプラ社)。広島大学で博士号取得後も「マンボウなんでも博物館」(https://manboumuseum.com/)というサークル名で個人的に同人活動・研究調査を継続中。Twitter(@manboumuseum)で情報発信・収集しつつ、なんとかマンボウ研究しながら生活できないかとファンサイト(https://fantia.jp/fanclubs/26407)で個人や企業からの支援を募っている。

●澤井悦郎(さわい・えつろう)/1985年生まれ。2019年度日本魚類学会論文賞受賞。著書に『マンボウのひみつ』(岩波ジュニア新書)、『マンボウは上を向いてねむるのか』(ポプラ社)。広島大学で博士号取得後も「マンボウなんでも博物館」(https://manboumuseum.com/)というサークル名で個人的に同人活動・研究調査を継続中。Twitter(@manboumuseum)で情報発信・収集しつつ、なんとかマンボウ研究しながら生活できないかとファンサイト(https://fantia.jp/fanclubs/26407)で個人や企業からの支援を募っている。

 私はマンボウの賢者になりたいマニアである。

 前回、「生物分類学者はポケモンにも貢献し、新種はあくまで仮説である」という分類学のあまり知られていない側面を語ったが、またマンボウ科の話に戻ろう。

 今回はヤリマンボウとハシブトガラスの間で初めて観察された食う食われるの関係についてだ。

■ヤリマンボウはマンボウであってマンボウではない

「ヤリマンボウ」という言葉を聞いて、あなたは一体何を連想するだろうか? 私はエスパーだ。あなたの頭の中を簡単に読むことができる。あなたはきっとこう思ったことだろう、「エッチな言葉」だと……。

 マンボウの仲間は略すると「○○マン」になる。ヤリマンボウの場合はヤリマンだ。おっと、そこのあなた、今ニヤリとしなかったか? ヤリマンと聞いて、ロックマンやキン肉マンのキャラクターだと連想する人はまずいないだろう。最初はヤリマンボウに対するネット民の反応に「ヤリマンボウは魚の名前だ! エッチな言葉ではない!」と私は抗っていた。しかし、激闘の末、心がボロ雑巾のように疲れ果てた私は匙を投げた。もう好きに連想してくれ、と。

 ヤリマンボウの名前に課された悲しき宿命を私は受け入れた! 私ができることはこの魚の名前以上の魅力を読者に発信するより他にはない! 改めて紹介しよう! ヤリマンボウMasturus lanceolatusはマンボウ科の仲間であるが、マンボウ属Molaとは属が異なる、マンボウであってマンボウではない魚だ! ヤリマンボウはマンボウ属より体形が卵型で、舵鰭中央部にしっぽのような突出部をもつことが大きな特徴である! ヤリマンボウの舵鰭突出部は長い個体と短い個体がおり、かつては2種いるのではないかと推測されていたが、現在は同種の個体差ではないかという見解で落ち着いている(研究の余地がある)! 台湾ではヤリマンボウがよく漁獲されるので食べることができるが、日本ではあまり漁獲されないのでレア食材である!


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