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競技によって“苦痛”伴う場合も…コロナ禍でアスリートが直面する「検査との戦い」

山岡則夫dot.
コロナ禍での試合は選手にとって大きな負担に… (c)朝日新聞社

コロナ禍での試合は選手にとって大きな負担に… (c)朝日新聞社

『抗体』は前記2つとは異なり、過去のウイルス感染を発見するもの。血液サンプリングを摂取するため、嫌悪感を持つ人もいる。結果理解のためには医学的知識も必要となるが、血液からの検査は精度が非常に高い。

「PCRを行うのは素晴らしいこと。しかし『PCRが絶対的で基準にできる』という風潮は危険だ。検査方法には一長一短があるのに加え、現場では2つの問題も起きつつある。1つはコスト面で、PCRは抗原や抗体に比べ倍以上かかってしまう。経済的に潤沢な競技団体なら高額なPCRでも継続的にできる。しかし弱小零細競技などでは、あっという間に予算が底をつく。抗原や抗体でも同様の効果が得られるのなら、安い方を選択肢にしたいはず」

 いち早くPCR導入を表明したJリーグは、スポーツ振興くじTOTO収益金という大きな財源がある。また同様にPCRを定期的に行うNPB(日本野球機構)も余裕のある団体だ。しかし、露出も少なくスポンサーなどつかない競技では、PCRは大変な負担となる。ちなみに新日本プロレスは、現在1カ月に1度の抗体で対応している。それだけでもかなりの出費を抑えられるという。

「もう1つは、PCRでのサンプリング採取が負担になること。特にボクシングや柔道、レスリングなど、体重制競技が顕著。減量中のアスリートは極限まで身体を絞っているので、唾液すら出なくなる。PCRのサンプリングは唾液の場合、多少、多めに要求される。長時間拘束され、仮に採取できても泡状の唾液になる場合が多く、サンプルとして適切か疑問に感じる。また咽頭粘液の場合は鼻から綿棒などを入れるため、痛みや違和感を伴ったりもする。アスリートにとって大変なストレスとなる」

 血液採取も状況によっては有効的で容易になりつつあるという。注射など大袈裟な機材を使うのではなく、指先をほんの0コンマ数ミリ針で刺して摂取するだけ。極限状態のアスリートなら、精神的負担など少ないようにも思える。

 現状ではスポーツ界のみでなく、世間全般でPCRを推奨する流れになっている。しかし検査方法の前の大前提として、「感染可能性がある人と健康な人を分けて考えることが必要」と朝本医師は声を大にする。


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