一方で、仕事に対してはいい意味で執着しなくなったとも明かしている。

「20代の頃は撮影した写真も自分でチェックするなど、人に任せることができなかったそうですが、今は自分の持ち場で力を注ぎ、人に委ねることができるようになったとウェブマガジンで明かしていました。また、『仕事のために生きる』よりも『生きるために仕事をする』というスタンスへと変化し、ひとつの作品を丁寧に取り組みたいという気持ちがあるとか。ルックスだけでなく、芯はあるけど肩肘張らない軽やかな生き方が好感に繋がっていると思います。しかも、美貌は健在で、たまにドラマに出演するからこそ他にはない存在感を放つのかもしれません」

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は香里奈の女優としての魅力についてこう分析する。

「確かに近年で主演を務めた連続ドラマはあまり良い結果を残せませんでしたが、彼女にとっての連ドラ初主演作である『だいすき!!』という作品では、髪をショートにし軽度の知的障害を持ちながら子育てに奮闘する主人公を熱演。また、香取慎吾主演の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の麗子役も、ピンクの制服を着こなす警官というかなり突拍子もない役どころでしたが見事にハマっていました。ひさびさに連続ドラマに戻ってきた今回のドラマでも、良い意味で肩の力が抜けた自然体の演技がドラマのアクセントになり、見ていてとても心地よいです。今後はマイペースな活動で、2時間ドラマや社会派ドラマなどで活躍する彼女の姿もぜひ見てみたい」

 正統派な美人役から等身大の女性の役もしっかり演じることができ、ポテンシャルも高い。テレビに出続けているわけではないが、女優として華があることはたしかだろう。ドラマや映画など、コンスタントに出演して欲しいと思っている視聴者は多いのでは。これからもまだまだ活躍しそうだ。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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