早すぎる世代交代…“大人”が勝てない女子フィギュアの「あるべき姿」 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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早すぎる世代交代…“大人”が勝てない女子フィギュアの「あるべき姿」

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沢田聡子dot.
平昌五輪女王のザギトワ(C)朝日新聞社

平昌五輪女王のザギトワ(C)朝日新聞社

今年シニアデビューを果たしGPファイナルを制したコストルナヤ(C)朝日新聞社

今年シニアデビューを果たしGPファイナルを制したコストルナヤ(C)朝日新聞社

 今季のグランプリファイナルで最下位に沈んだ平昌五輪女王アリーナ・ザギトワが、母国ロシアの国営テレビで言及したとされた活動休止、引退について自らのインスタグラムで否定、その進退に注目が集まっている。

【写真】GPファイナルで世界最高となる計247.59点を叩き出したコストルナヤ

 ザギトワは2季前となる平昌五輪シーズンにシニアデビュー、ファイナルを制し、一気に五輪の頂点まで駆け上がった。続く2シーズンも、昨季は紀平梨花、今季はアリョーナ・コストルナヤと、シニア一年目の選手がファイナルを制している。次々と若い選手が現れて新旧交代があるのはスポーツの常かもしれないが、特にフィギュアスケートの女子に関しては、その周期があまりにも短すぎる感がある。昨季前半は苦しい戦いを強いられながらも最後には世界選手権を制した17歳のザギトワが、今も戦う姿勢をみせていることに敬意を表したい。

 今季圧倒的な強さを見せているのは、ザギトワと同じエテリ・トゥトベリーゼコーチ門下の三人の後輩たちだ。グランプリファイナルを制したのはトリプルアクセルと完成度が高く美しい演技が武器のアリョーナ・コストルナヤ(16)、2位になったのは男子でも数人しか跳べない高難度ジャンプ・4回転ルッツを演技に組み込むアンナ・シェルバコワ(15)、3位は4回転ルッツを含む4種類の4回転ジャンプを操るアレクサンドラ・トゥルソワ(15)だった。

 また、シニアと同会場で行われたジュニアグランプリファイナルには、北京五輪に向けて女子シングルのトップ争いに加わることが予想される逸材が出場した。4回転を持ちながらも今回は怪我明けだったため封印、4回転なしでも完成度の高い演技で優勝したロシアのカミラ・ワリエワは、トゥトベリーゼコーチに師事する13歳。また、フリーでトリプルアクセル・4回転ルッツを各2本組み込み2位になったアメリカの14歳、アリサ・リウは、過去に女子として初めて一つのプログラムの中で4回転ルッツとトリプルアクセルを成功させている。

 平昌五輪の女子シングルでは、メダルを争うフリーの最終グループでも最高難度のジャンプは3回転―3回転のコンビネーションだったことを考えると、現在の進化には目を見張るものがある。女子にとってはトリプルアクセルを跳ぶことは挑戦で、4回転は男子だけのジャンプだという当時の常識を、新世代の少女たちは自らが跳んでみせることで打ち破った。どんなに身体能力が高くとも、4回転ジャンプの成功の裏側には想像できないような努力があるはずで、彼女たちはアスリートとして尊敬に値する。


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