ぬいぐるみが「かけがえのない存在」という心理とは? ぬいぐるみ病院の新たな試み (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ぬいぐるみが「かけがえのない存在」という心理とは? ぬいぐるみ病院の新たな試み

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南文枝dot.

毎週木曜日には、患者の退院を祝う交流パーティーが開かれる。リボンを着けているのが、治療を終えた患者だ(ぬいぐるみ病院)

毎週木曜日には、患者の退院を祝う交流パーティーが開かれる。リボンを着けているのが、治療を終えた患者だ(ぬいぐるみ病院)

ぬいぐるみ病院のホームページには、患者の退院後に家族が開いたパーティーの様子も掲載されている

ぬいぐるみ病院のホームページには、患者の退院後に家族が開いたパーティーの様子も掲載されている

「ぬいぐるみと人との笑顔や涙の関係を解き明かしたい」と話す病院を運営する「もふもふ会」理事長、堀口こみちさん

「ぬいぐるみと人との笑顔や涙の関係を解き明かしたい」と話す病院を運営する「もふもふ会」理事長、堀口こみちさん

ぬいぐるみや家族の心に寄り添う手厚いサービスが人気のぬいぐるみ病院(ぬいぐるみ病院提供)

ぬいぐるみや家族の心に寄り添う手厚いサービスが人気のぬいぐるみ病院(ぬいぐるみ病院提供)

治療を受ける前(左)と終えた後(右)のぬいぐるみ(ぬいぐるみ病院提供)

治療を受ける前(左)と終えた後(右)のぬいぐるみ(ぬいぐるみ病院提供)

 長い時間をともに過ごして肌が黒ずんでしまったり、手足が取れてしまったりしたぬいぐるみを“患者”として受け入れ、再び家族の元へ送り届ける「ぬいぐるみ病院」(大阪府豊中市)。患者の“診察”や“治療”だけでなく、エステや添い寝といった手厚いサービスが人気を集め、全国から多くの患者が訪れる。2015年6月の開院以来、18年6月までに約4000体を治療した。

【表情まで違う? 治療前、治療後はこちら】

 病院を運営する「もふもふ会」理事長、堀口こみちさんによると、入院を希望する患者の家族の多くは、40~50代のカップルや夫婦だという。ぬいぐるみの年齢は30~40代が多い。

 ぬいぐるみ病院では、入院の際、家族に患者の症状のほか、出合った場所や思い出などについても聞き取りをする。「ご家族にとっての存在は?」と尋ねると、「心を持った家族」「相棒」「大切な友だち」「ムードメーカー」「癒やし」「宝物」「かけがえのない存在」「恩人」などと返ってくる。

 患者との思い出もさまざまだ。ほほ笑ましいものを紹介すると、

「実家から出て1人暮らしする時も、この子だけは連れてきました」
「夫婦で出かける時はいつも一緒」
「部活の大会で全国各地に一緒に行ってくれた」
「小さい時に姉とけんかして家出した時も、ついてきてくれました」
「会社に泊まった時に枕になってくれた」

 こんなエピソードもある。

「陣痛から入院、出産まで、ずっと一緒でした」
「交通事故の時、この子のおかげで娘が無傷でした」
「大震災の時、一緒にいてくれた」
「子どもができない時、そばにいてくれた」
「仕事で落ち込んでいた時、実家から駆け付けてくれた」

 堀口さんから患者と家族の物語を聞いていると、いかにぬいぐるみが、その家族にとって大切な存在かが伝わってくる。「患者様は、ご家族にとっては子どもと同じで生活の一部。ご家族の愛情は深く、退院、帰宅されるとパーティーを開いて喜んでいただいています」(堀口さん)

 そんな中、堀口さんがずっとひっかかっていることがある。

 ある時、猫のぬいぐるみを連れた女性が病院を訪れた。入院の手続きをしようとしても、涙を流してぬいぐるみを抱いたまま離れられない。そのまま約2時間たち、結局、女性は患者を入院させられずに帰っていった。堀口さんは泣いている様子を見て、非常に悲しく感じたという。



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