死去した評論家の西部邁(すすむ)さん(c)朝日新聞社
死去した評論家の西部邁(すすむ)さん(c)朝日新聞社

 評論家の西部邁(すすむ)さん(78)が21日、死去した。東京都大田区田園調布5丁目の多摩川に自ら入り、警視庁と消防が西部さんを救出したが、約2時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。

【ウーマンの村本さんとの対談はこちら】

 
 警視庁によると、同日未明に家族が「父親がいない」と110番通報。行方を捜しているなかで、多摩川で発見された。河川敷に遺書が残されており、自殺とみられている。最近は体調が優れなかったという。

 1939年、北海道生まれで東大経済学部卒。元東大教授。保守派の論客として活躍した。著書に「大衆への反逆」などがある。最近まで雑誌「表現者」顧問をしていた。

 2017年12月18日号のAERAでは40歳以上、年の離れた芸人のウーマンラッシュアワー・村本大輔さんと対談し、話題を呼んだ。

 西部さんは村本さんとの対談で一度も投票に行ったことがないことを笑顔でこう明かしていた。

「最初の投票用紙が送られてきた20か21歳のとき、東京拘置所にいた。当時は東京大学の学生で、暴力革命を唱え、政治犯の被告として収監されていた。暴力といっても首相官邸や国会の門扉を壊した程度だったけど、確信犯だったからそんなやつが投票をするのは間尺に合わないと考えた。その後も転居の連続で10年ぐらい投票用紙が届かなかったし、あえて投票のことも考えませんでした」

 また、「投票が権利ではなく義務だというなら、放棄した場合には罰金を設ければいい。世界にはそういう国もある」と持論を村本さんに披露していた。

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