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「顔認識」機能はここまできた! 成毛眞が語る“驚くべき未来”とは

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すべてが顔認識で管理される時代は遠くない?

すべてが顔認識で管理される時代は遠くない?

成毛眞さん(撮影/大嶋千尋)

成毛眞さん(撮影/大嶋千尋)

 人工知能(AI)の普及で大動乱の時代を迎えつつある今、これから生き残っていける人材は「理系脳」の持ち主である、と成毛眞は著書『理系脳で考える』で明かしている。文系でも、技術が苦手な人でも、「理系脳」になるために知っておきたい技術進化の最新の流行とは。

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 iPhone Xの注目すべき機能は何と言っても、顔認識システムだ。それまでの指紋認証に代わって搭載されたこのシステムの誤認識率は100万分の1だという。アップルのこの発表を信じるなら、かなり“使える”システムだ。これがスマホに入るほど、小さく安くなったところにも、加速度的な技術の進化を感じざるを得ない。

 2014年から書店大手の丸善ジュンク堂は、全店で顔認証システムを導入している。カメラで来店者の顔をチェックしているのだ。なぜ書店でここまでするのだろうか?

 書店の最大の敵は活字離れではなく、万引き犯だ。書店の年間万引き損耗率は1.9%と言われている。さらに、書籍の販売部門での収益率はマイナス0.6%。本を売っているだけでは赤字なのだ。アマゾンが絶好調な理由の一つは、通販という仕組み上、万引きが不可能という面も大きいだろう。こうした背景から、丸善ジュンク堂は顔認証システムを導入した。

 カメラが入店者の顔を捉える。コンピュータは過去に万引きをした人物、怪しい動きをしていたことのある人物のデータベースとの照合を開始する。何もなければそのまま。しかし、データベースに登録された人物と似ていると判断されると、書店内にいる保安員にその旨が、顔写真付きのメールで知らされるという仕組みだ。

 丸善ジュンク堂では全国約90店舗でこの仕組みを導入済みだという。すると、どういうことが起こるのか。万引きをしたい人は、より万引きしやすい書店へ流れていく。リスクの高い丸善やジュンク堂で“仕入れ”をしなくても、セキュリティの甘い書店はいくらでもあるからだ。それでなくとも厳しい経営を強いられている書店が多い。万引き犯の巣窟になってしまったら、手の打ち所がないだろう。

 さてその顔認識システムにかかった費用はどれくらいだろうか。おそらく、車は優に買える額。ちょっとした家なら買える額だろう。

 そうやって作ったシステムに非常に近いものが今や、iPhone Xという、個人が買って個人が使うツールに入っているのだ。丸善ジュンク堂の導入からわずか3年しか経っていないのに、ここまげ劇的に変化しているのだ。

 100万分の1という誤認識率は、今後、間違いなく下がっていく。画像を見分けるのは、何かと話題の人工知能(AI)が得意とする分野。研究が進めば精度も上がり、今よりもっと安く、手軽に、高い精度で顔を見分けることができるようになる。

 そういう時代がもう、すでに到来しているのだ。


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