「大河ドラマ」時代考証者が「男性説」に懐疑的…「直虎が女性だった」と考える根拠 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「大河ドラマ」時代考証者が「男性説」に懐疑的…「直虎が女性だった」と考える根拠

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NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」で井伊直虎を演じる柴咲コウ(c)朝日新聞社

NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」で井伊直虎を演じる柴咲コウ(c)朝日新聞社

 NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」は、初回から4週連続で主人公の幼少期が描かれる。子役の登場回数がここまで多いのは、近年の大河では珍しい。子役の新井美羽ちゃん(10才)演じる「おとわ(井伊直虎)」の毅然とした振る舞いからは、領主の娘として生きる自負が伝わってくる。のちに井伊家を背負って「おんな城主」となる決断を予想させる熱演だ。

 ところで昨年12月、大河ドラマの筋書きに影響を与えるような発見があったのをご存じだろうか? 井伊家の史料を収集する井伊美術館(京都市東山区)が新たに確認した文献史料を公表し、「直虎を名乗ったのは女性ではなく、いとこにあたる別の男性だった可能性がある」と発表したのだ。「直虎」の時代考証を担当する静岡大名誉教授の小和田哲男氏に、見解をうかがってみた。

 はじめに通説をおさらいしておくと、「直虎=おんな城主」のベースとなっているのは、井伊谷城主・井伊直盛の娘が出家して次郎法師を名乗り、のちに後継者「直虎」となり、徳川家の重臣となる井伊直政の養母となったという説である。直虎本人の存在を示す史料は『井伊家伝記』や、のちに江戸幕府が出させた『寛政重修諸家譜(かんせいちょうしゅうしょかふ)』など8点しか残されておらず、なぞの多い人物である。

 新説の根拠として確認された史料は、『守安公雑秘説写記(もりやすこうざつひせつしゃき)』(全12冊)。今川義元の子・氏真の配下にあった井伊家について、井伊谷の領地が直盛の義理の兄弟・新野左馬助親矩(にいのさまのすけちかのり)の“おい”にあたる井伊次郎に与えられたとの記述があった。

 小和田氏は、新史料によって新たに浮上した「直虎=男性」説に反論している。理由は主に次の3点だ。


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