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第10回 鯖江の熱い男たちがくり出す新商品

文・鈴木正晴

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『鯖江ギフト組』のみなさん

『鯖江ギフト組』のみなさん

ギフト組の商品のひとつ「蒔絵筆ペン」

ギフト組の商品のひとつ「蒔絵筆ペン」

にゃんグラス

にゃんグラス

わんグラス

わんグラス

『鯖江ギフト組』の組長モロイさん

『鯖江ギフト組』の組長モロイさん

レンズ3度数分と、ちょっと寸足らずなケースがセットになっています鈴木さんおすすめ 鯖江のスグレモノ ローネットグラス わんグラスのご購入はこちらから※他に猫の形の商品もあります

レンズ3度数分と、ちょっと寸足らずなケースがセットになっています
鈴木さんおすすめ 鯖江のスグレモノ ローネットグラス わんグラスのご購入はこちらから
※他に猫の形の商品もあります

 どこにでも熱い男はいるもんで、特に自治体や商工会の方に“熱”があると、自ずと事業者さんにもその熱は伝わり、自ずとその地域が活性化するんですよね。鯖江の場合、暑苦しいくらいですが、たくさんの“メガネ業界”の事業者さんが、新しい商品づくりに取り組んでいました。新しいタイプのサングラス、老眼鏡、ルーペなどのメガネ周りの商品をはじめ、デザインにこだわった靴べら、耳かき、アクセサリー、チタンの加工技術を活かした箸などなど。事業者さんの一部は『鯖江ギフト組』(また暑苦しいネーミングだ……)という熱いチームを作り、全国展開を始めていました。

 この熱い男たち、何がすごいって、決して中国製や韓国製のメガネの悪口を言わないんです。僕だったら心が狭いので、「安いメガネが入ったせいで俺たちのマーケットが……」なんて言いたいところですが、市役所のワタナベさんはおっしゃいました。

「自分たちが作っているメガネであの値段は無理です。おしゃれにたくさんのメガネを毎日のように取り替えたいというような方は、あのお値段のモノを使われる選択は決して間違いではないです。ただ長く使ったり、本当に目のことを考えて調節したり、軽さや肌への影響、そんなことまで考えて、これだ!という一本を買うのであれば、やっぱり鯖江のものがお勧めなんです」

 自分たちが作っているものに対する自信とプライド。そして、自身も生活者であるからこそわかる、安いメガネのイイトコロ。でも食べていかないといけないので、長所である部分をさらに伸ばすための新商品開発。前向きっ!

 我々の店舗でも、これは日本製だからいいんだよ!という一方的な押しつけになっていないかな、本当にいいところや自信の持てる部分をきちんと説明できているかなと反省しました。“伝える”役割である我々が、“作り手”の熱さに負けていてはいけません。常にワタナベさんたちと同じ熱さ、暑苦しさを持ち続けたいなと強く思っております。

 今回ご紹介する商品は、その鯖江ギフト組の自信作「にゃんグラス」「わんグラス」です。

 鯖江の商品を1つご紹介するにあたり、何にしようか悩みました。本当は新しい取り組みをご紹介する意味でも、非メガネ関連の商品にしようかとも思ったのですが、この商品の開発秘話がまた暑苦しい! その暑苦しさをぜひ伝えたいのです!

 開発したのは『鯖江ギフト組』の組長でもあります、乾レンズのモロイさん。

●自身が老眼鏡の必要な年になった → 子供が巣立つ → 新しい家族として犬や猫を飼う → その犬や猫といつも一緒にいる気持ちで居たい。だから犬と猫がモチーフ

●本格的な老眼鏡は買うとして、ちょっと使いのモノが欲しいけど、100円の老眼鏡ではなく「これいいでしょ」と見せられるようなものがいい

●ケースはレンズ拭きも兼ねていて、ちょっと寸足らずなのは犬と猫がちょこっと顔をのぞかせている感じにしたいから

●度数を複数選べるように、レンズを3セットパックにしてしまえばギフトにもなる!

 なんともジブンカッテな商品開発ですが、自分が本当に欲しいもの=マーケットで求められている(だろう)もの、という仮説で商品開発に突き進んだモロイさん。さあこちらの商品は、日本のスグレモノとして皆さんに認めてもらえるのでしょうか? 僕自身も非常に楽しみにしている商品です!


(更新 2015/6/ 3 )


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プロフィール

鈴木正晴(すずき・まさはる)

 株式会社日本百貨店・代表取締役社長、ディレクター兼バイヤー。1975年神奈川県生まれ。1997年東京大学教育学部卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。アパレル関連の部門で、海外とのビジネスを多く経験する中で、国内の“モノ づくり”文化に根差したすぐれものをより広いマーケットに広める一助となりたいと考え、2006年3月伊藤忠商事を退社。2006年4月に株式会社コンタン(現・株式会社日本百貨店)を立ち上げる。2010年12月には東京・御徒町に、日本の優れものを集める小売店“日本百貨店”を オープン。食・雑貨・衣料雑貨など、全国から様々なこだわりの商材を集め、作り手と使い手の出 会いの場を提供している。著書に「日本百貨店」(飛鳥新社 2012/12)

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