わが家の愛娘「くるみ」(写真、雌)は今年6歳になる。白の豆柴で近所でも評判のくっきり二重の美犬だ。

 私が犬を飼いたいと言っても、夫は床に傷がつくとか、旅行に行けなくなるとか、理由をつけてはやんわりと逃げてきた。それなのに、夫は「くるみ」を見たその日に即断、あれよあれよと手続きを進め、迎え入れることになった。いわゆる一目ぼれってやつだ。

 お散歩デビューの日にお会いしたご近所のご夫妻は、今でも会うたびに「あの時の可愛い白柴ちゃん~」と声をかけてくださる。

 電車に乗れば「犬の世界にも器量の良し悪しがあるんですねぇ、色の白いは七難隠すというけれど、ずいぶんきれいなワンちゃんだ」と感心される。「うちの子に譲ってもらえないか」と住所を書いた紙を握らされたこともあった。

 通りすがりの女子高生の言葉を借りると「ヤバ! 激カワ!!」なのだ。

 あんまりにも可愛い可愛いと声がかかるので、動物病院の先生に「うちの子はそんなに可愛いのか」と真剣に聞いてみたこともある。親ばかみたいだけど……。

 週末は、可能な限りどこに行くにも一緒だ。最近は、私と夫、双方の実家の介護や終活で、毎週のように電車に揺られ、どちらかのおじいちゃんおばあちゃんに可愛いお顔を見せに行く。

 もちろん4人ともメロメロ。おやつを好きなだけもらい、気に入らないカリカリフードにはA5ランクの松阪牛がトッピングされることも。

 おなかがいっぱいになれば一緒にお昼寝し、まさに孫。ここでもまた可愛い可愛いのオンパレードである。

 というわけで、厳しくしつけることはできずじまい、少し気が強くわがまま放題なのが玉にきずだけど、いつまでも可愛い笑顔と幸せを振りまいてほしい。

(伊東直美さん 東京都/46歳/会社員)

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