
名前はクロ。真っ黒だけど、脚に焦げ茶のシマが少し入っている。
17年前、夫が雨の日に拾ってきた。翌日、病院に連れていくと生後3カ月くらいと言われた。風邪なのか、鼻水、目やにがひっきりなしで、薬をもらい、世話をして元気になった。
しかし、実をいうと元気というよりは野性的。すぐに爪を立てる、頭の上に飛び乗る。猫じゃなくヒョウの子かと思ったほどだ。
ひっかかれ、かみつかれ、でもかわいくて。先代の猫に3カ月前に死なれたこともあり、元気いっぱい家中を飛びまわる姿がうれしかった。雌猫なのに、クロはとにかく気が強い。猫パンチで、近所の猫のお気に入りの場所を分捕る。やって来る猫はことごとく追っ払い、時には大ゲンカ。家の中より外が大好きで(写真)、ドアを開けるか開けないかの隙にポーンと飛び出し、庭を跳ねまわる。木登りや屋根の上も大好きだ。
スズメやヒヨドリを捕まえ、ご丁寧にも家の中の自分の皿のわきに持ってきて食べる。それも家族が留守の間に。部屋の中をスズメがバタバタ飛びまわっていたこともある。食べようとして逃げられたらしい。
小さい網戸は爪で開けることを覚え、夏の夜はいつもササッと屋根の上で涼んでいる。
4年前、どこかで大ケガをして深夜に帰ってきた。両脚が動かなくなっていたが、どうやって帰ってきたのか。朝一番で病院に連れていき、即入院。交通事故らしく、骨折と打撲などを負っていた。
5日後に家に戻って、寝たきり状態が数日。でも、元気にまた歩き、やがて走り、元通り屋根や木に登ったり、スズメを捕ったりもできるようになった。
17歳だが、まだまだ元気で、子猫のようにあちこち飛びまわっている。
(斎藤友子さん 埼玉県/64歳/主婦)
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