「親の介護結婚する前から想定内でした。実家の母親は姉と夫と3人で仕事に支障が出ない体制を取り、協力しながらしてやっています。義父の介護は基本的にヘルパーさんにお願いしています。無理してやるよりもプロにお任せできるところはそうしたほうがいいというのがふたりの考え方。それで義父も納得してくれています。もちろん、できる範囲で介護はしていますよ」

 子どもは、結婚を決めたときから、年齢的なことを考えると難しいと思っている。

「結婚した歳が49歳でしたし、子どもは授かりものですから、正直考えませんでしたね。親や兄弟・姉妹など周囲は勝手なことを言っていたようですが、夫も私も気に留めませんでした。それに私、40歳のときに乳がんで放射線とホルモン治療をしているんです。幸い再発もせず、今は1年に1回の定期健診で問題ありませんが、こうしたこともあって子どもを産むということは現実的ではありませんでした。ときどき『子どもがいないと結婚していても一人前じゃない』とか、『かわいそう』とか言う人がいますけど私たち夫婦はそれが負い目だと思ったこともありません。夫婦ふたりの今の生活で十分に幸せですから、言いたい人には言わせておけばいいというふうに思っています。でも、若い頃だったら、落ち込んでいたかもしれませんね」

■一緒にいられる時間はさほど長くないからケンカしている暇はない

 結婚は面倒で自分には縁のないものだと思っていた田島さん。日々、大変なことや、つらいこともあるというが、それも込みで結婚生活を自分なりに楽しんでいる姿が印象的だ。

「若い頃の私は自分がいちばん大事でしたが、人生の折り返しを過ぎ、ある意味いろんなことを悟ったのかもしれません。仕事や親の介護だけで残りの人生を過ごすよりも、好きな人と手を携えて、お互いのことを思いやりながら楽しく生きていくのもいいんじゃないかと思ったんですね。それは夫も同じ思いだったのだと思います」

 そして結婚するにあたり、ふたりで決めた3つのルールがあるという。

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