プロゴルファー松山英樹の2016年が終わりを告げた。

今年の松山は、2月のウェイスト・マネージメント・フェニックス・オープンでリッキー・ファウラーを4ホールに及ぶプレーオフで下してツアー通算2勝目を挙げたのを筆頭に、4月のマスターズで7位タイ。そして10月に入ってからの成績は凄まじく、帰国して出場した日本オープンゴルフ選手権で国内メジャー初制覇を成し遂げると、新シーズンに突入したPGAツアーのCIMBクラシックで単独2位となり、翌週のWGC-HSBCチャンピオンズでは後続に7打差をつける通算23アンダーでWGCシリーズ初勝利を達成した。
松山の快進撃はここで終わらず、11月に入ると三井住友VISA太平洋マスターズでこちらも2位に7打の大差つけて大会2勝目。さらにPGAツアー外のタイガー・ウッズ(米)が主催するヒーロー・ワールド・チャレンジでも、トッププロたちを退け逃げ切り勝ちし飛躍の一年を締めくくった。何しろ10月以降は出場5戦で4勝、残る1試合も単独2位となり、世界ランクは自己最高の6位まで上り詰めるなど、2016年後半は世界一“神ってる”ゴルファーだったと言える。
そんな松山、このように2016年後半の活躍があまりに目覚しかったため、忘れられがちなのだが、シーズン中には苦難の時もあった。
6月のザ・メモリアル・トーナメントで予選落ちすると、続く全米オープンでは周囲の期待とは裏腹に2日目に78を叩いて予選通過ならず。そしてメジャー第3戦の全英オープンでも同じく2日目に78とスコアを崩しカットラインに届かなかった。8月の全米プロゴルフ選手権でメジャー自己ベストの4位タイになったが「5月~9月は思うようなゴルフができなかった」と松山は自身の1年を回顧。国内外で年間5勝は文句のつけようがない成績だが、本人としてはまだ不満が残る年だったようだ。
松山が夏以降に調子を上げてきた要因として、ショット精度やパッティングの向上、注目を集めたドライバーの変更など、テクニックやギアを挙げることは多い。12月12日に都内で行われた契約先であるダンロップスポーツの「NEW スリクソン Z-STAR シリーズ」発表会に出席した松山は「100点です」と評価。実際に今年はこのボールで好成績を出してきたのだから、ギアも快進撃を支えてきたのだろう。