日本人は新米や新茶、さらにワインのボジョレー・ヌーボーのように、いわゆる初モノが昔から大好きだ。そんな初モノ好きの日本人を意識してか、最近、「初摘み」を冠した商品を目にすることが多くなった。
 
 例えばビール。昨年10月、キリンビール株式会社が岩手県遠野市で夏に収穫したばかりのホップを使用した「一番搾り とれたてホップ生ビール」を数量限定で発売。そして翌月には、サッポロビール株式会社も麦とホップ<贅沢初摘み>」という商品を限定で発売した。こちらで使用しているホップはチェコ・ザーツ地方で初摘みされたもので、収穫後、すぐに日本に空輸して、製造することで商品化にこぎ着けたという。
 
 コーヒーでも“初摘みモノ”はもはや定番化している。収穫期の違う世界中の産地から、その農園で、その年最初に実った初摘み豆をインターネット経由で買い求める熱心なコーヒーファンもいる。また、ネスレの「ネスカフェ 香味焙煎 香り初め」もあっという間に売り切れてしまうほどの人気だ。

 また、紅茶も日本茶同様、初摘みモノは人気がある。一昨年、キリンビバレッジとセブン&アイグループが共同開発した限定品「午後の紅茶 ザ・パンジェンシー 初摘みダージリン」は、ダージリンの新芽だけを収穫した初摘み茶葉を贅沢に使用した商品として注目を集めた。

 「初摘み」という言葉によほど訴求力があるのか、その他にも青汁や海苔、もずくなど多くの初摘み商品がすでに世に送り出されている。ロッテもこの春、初摘みミントを使った「グリーンガム」を販売した。1957年から発売されている定番商品だが“初摘みミント”を使うことで味・香りの広がりを良くし、深みのある味わいを実現したという。

 気がつけば初摘み商品ブーム。この勢いは、またまだ広がりそうだ。

【関連リンク】
初摘みミントとは?
http://www.lotte-greengum.jp/product/