コロナショックで日経平均株価は急落した (週刊朝日2020年4月24日号より)
コロナショックで日経平均株価は急落した (週刊朝日2020年4月24日号より)
主な金融商品の特徴と注意点 (週刊朝日2020年4月24日号より)
主な金融商品の特徴と注意点 (週刊朝日2020年4月24日号より)
危機を乗り切るための10カ条 (週刊朝日2020年4月24日号より)
危機を乗り切るための10カ条 (週刊朝日2020年4月24日号より)

 コロナショックはどこまで深刻化するのか。東京五輪が延期になり、緊急事態宣言も出た。株や原油が暴落し、外国為替市場も乱高下している。金融商品の価値が下がって、大事なお金が“溶けた”と感じる人も多いはずだ。いまは資産をできるだけ減らさず耐え忍ぶ時期だ。危機に備えるマネー術を紹介しよう。

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 経済はいま大幅に落ち込んでいる。東京などでは外出の自粛で、飲食・観光業の経営が苦しくなっている。企業の生産活動は停滞し、国内外の工場を一時休止する自動車メーカーもある。原油など資源価格の値下がりを受けて大手総合商社の業績も悪化している。

 東京商工リサーチによると、4月9日までに業績の下振れや何らかの対応を発表した国内の上場企業は1100社を超えた。売り上げ不振で倒産する中小企業も出ている。

 こうした動きを受けて、金融市場も混乱している。主な株式指標の日経平均株価は急落した。外国為替市場では円安ドル高が一時進んだが、その後円が買い戻されるなど不安定な動きが続いている。

 これから経済はさらに落ち込み、給料が減ったり、仕事がなくなったりする人も目立ってくる。政府は現金の支給など緊急経済対策をする方針だが、自分の資産は自分で守るしかない。

 まずやるべきは資産の点検だ。ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんは、金融商品の現状を把握するよう呼びかける。

「今回のような経済危機では金融商品全般が値下がりします。慌てて一番安い時に売ってしまえば損は大きくなる。手元にどのくらい資産があって、どれだけ値下がりしたかなどを冷静に見極めることが大事です」

 資産をチェックして投資に回す額は適正だったのか、リスクが大きな金融商品を持ちすぎていなかったかなどを改めて考える。こうした反省をもとに将来の方針を立てていく。

 経済が厳しい時は余計な出費を抑えるのが基本だ。

「残業代やボーナスが減ったり、休職や退職を余儀なくされたりする恐れがあります。経済が回復しても、正常な状態に戻るまでには時間がかかる。最悪のケースを想定して、いまある資産をできるだけ守るように意識しましょう」(深野さん)

 住宅や自動車など高額でローンをもとに買うものは、なるべく先延ばしする。外食せずに自炊で出費を抑えるなど、毎日の生活費も見直そう。

 資産を守るには金融商品の特徴や注意点を知っておくことが必要だ。

 株式は企業の業績などさまざまな要因で、値段が大きく動く。証券ジャパン調査情報部長の大谷正之さんはこう指摘する。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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