令和初の新年一般参賀と、即位後の両陛下 (c)朝日新聞社
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マスク姿の天皇、皇后両陛下 (c)朝日新聞社
マスク姿の天皇、皇后両陛下 (c)朝日新聞社

 天皇陛下が即位されて、新時代の令和が幕を開けてから5月1日で1年を迎える。雅子さまも即位関連の儀式・行事にすべてご出席をされて、皇后としての務めを果たされた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の余波は皇室にも及んでいる。ジャーナリスト・友納尚子氏がリポートする。

【写真】マスク姿の天皇、皇后両陛下

 現在の雅子さまは、御所からお出掛けになることはほとんどないといわれている。御所内で国内の福祉施設や被災地の仮設住宅などで新型コロナウイルス感染被害が広がっていないかということや感染対策について気になさっているという。職員や関係者に尋ねながら国民に気持ちを寄せていた。

 今年2月に日本国内でクルーズ船の乗員、乗客が新型コロナウイルスに感染した直後から、両陛下は宮内庁の医師などからウイルスの特徴などについて折に触れてお聞きになってこられていた。

 3月になると、即位後初の外国訪問先となる予定だった英国のチャールズ皇太子に新型コロナウイルスの陽性反応が出たと発表。両陛下は大変ご心配をされたといわれた。その2日後に英国のジョンソン首相も感染していることが判明した。

 同時に日本国内でも感染が拡大していることから、多くの情報を得られようとする姿勢が見受けられたという。宮内庁職員もマスク姿で従事する毎日だった。

 そんな中、唯一、明るいニュースは、愛子内親王殿下が学習院女子高等科のご卒業(3月22日)を迎えられたことだった。

 卒業式はマスク着用を原則として、卒業する生徒とその保護者のみが出席。両陛下は、感染予防のためご出席はなさらずに玄関先で愛子さまを見送ったといわれた。愛子さまは一度だけ振り返り、大きく手を振られたといい、式にはお一人でご出席された。

 マスク姿の愛子さまは、報道陣から「ご卒業おめでとうございます」と声を掛けられると、

「ありがとうございます」

 と笑顔で応えられた。

 卒業式後の夕方、両陛下は愛子さまの卒業にあたってご感想を発表されたが、愛子さまのご成長と学校関係者などへの感謝の意とあわせてコロナ感染についても次のように述べられていた。

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