<現在、新型コロナウイルス感染が拡大していることを案じ、我が国の国民、そして世界の多くの人々が直面している様々な困難や苦労に深く思いを致しています>

 コロナウイルス感染は、国内外で確実に拡大していった。4月5日には、英国エリザベス女王がビデオメッセージを公開。日本のメディアの中には、陛下も国民に向けてビデオメッセージを発表するのか期待する記事もあった。

 両陛下は、一向に終息しないウイルス感染の情報を日々収集され、国民のために何ができるのか模索なさっていたという。

 同月10日、両陛下は新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の尾身茂副座長から、現状についてのご進講を受けられた。

 陛下は尾身副座長を含めた現場で力を尽くす医療関係者に感謝の言葉を述べられた。さらに感染者の人数が増えていることも憂慮されたという。

<この度の感染症の拡大は、人類にとって大きな試練であり、我が国でも数多くの命が危険にさらされたり、多くの人々が様々な困難に直面したりしていることを深く案じています。今後、私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせながら、この感染症を抑え込み、現在の難しい状況を乗り越えていくことを心から願っています>というお言葉を尾身副座長に掛けられた。

「陛下は『オーバーシュートを回避するにはどういうことが必要なのか』ということや『国民が一丸となって乗り越えないといけない病気なんですね』と何度も仰っていたといいます。SARSとの違いやヨーロッパとの違いにもずいぶんご関心を示されていたと尾身副座長はお話しになっていました。また両陛下はEUは感染拡大でロックダウンをしているのに対し日本の場合は、8割の接触削減とした理由についても、ご関心を示されていたそうです」(宮内記者)

 両陛下は、コロナウイルスについてよくお調べになっているご様子で、ご進講のときも熱心にメモを取られていたという。

 陛下が新型コロナウイルスに感染した方々や家族にお見舞いの言葉を述べられたのは、2月23日の60歳の誕生日に先立った会見、愛子さまのご卒業のご感想に次いで3回目だった。陛下はビデオメッセージでなくとも国民に伝わるタイミングでご発言なさっていた。

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