

シンガー・ソングライター、渡辺真知子さんの太陽のような笑顔とポジティブなエネルギーに、作家・林真理子さんとの対談の場がぱあっと華やぎました。歌に突き進む人生についてうかがううちに、本邦初登場の秘話も飛び出し──。
【前編「需要がなくなった…ヒットメーカー渡辺真知子、30代でアリゾナへ飛ぶ直前に何が?」に続く】
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林:去年でしたっけ、渡辺さんは中島みゆきさんの「夜会」に招かれて客演なさったんでしょう?
渡辺:はい。私はどっちかっていうと「真っ昼間」「炎天下」のイメージなので、「どうして私を『夜会』に?」と言ったら、「8時開演だったのを、私が7時からにしたんだ、ぐらい言いなさい」って(笑)。私がやりたい放題やれるようにお尻をどんどんたたいて、アイデアを出すと聞いてくれましたね。最初はどうなるか不安がなきにしもあらずだったんですけど、みゆきさんのドメスティックなワールドと、私のインターナショナルな感覚をうまく生かしたステージでした。
林:お芝居もあるんですよね。
渡辺:みゆきさんが年上なんですけど、ご本人が直接台本を渡してくださるときに「ごめんね」って言うから、おかしいなと思ったら、私は「姉」になってるんですよ。
林:ひどいじゃないですか(笑)。
渡辺:うふふ。お相撲をとるような感じで二人で見合うんです。みゆきさんの一言目、「姉ちゃん、整形した?」(笑)。私が「どこ?」って言うと「根こそぎ」(笑)。みんな大爆笑ですよ。
林:楽しそう。見てみたかったなあ。
渡辺:7月23日から全国ロードショーが始まります。
林:ああ、映像に撮ったんですね。ぜひ見たいです。今もボイストレーニングは毎日欠かさないんですか。
渡辺:いや、ぜんぜん。もっぱら2匹のワンコを「コラーッ」って叱って発声練習してます(笑)。
林:アハハ。ピアノは毎日弾いてらっしゃるんですか。
渡辺:ほとんど弾かないですかね。うちのバンマスの石塚まみさんは、国立音大のピアノ科を出て、クラシックからジャズ、ラテンまでジャンルを問わず弾けて、声も聡明で、歌もバッチリ。だから私は彼女を一生離さないんですけど、出会ってからは、彼女のピアノとコーラスでOK。デトロイトから呼ばれたときも、二人で行ってやってきました。