少し変則的なところでは、ベイスターズの抑え投手も途切れることなく名選手が続いている。その流れを作ったのは間違いなく佐々木主浩だ。1995年から4年連続で最優秀救援投手のタイトルを獲得。1998年はチームの38年ぶりの日本一にも大きく貢献し、そのニックネームである「ハマの大魔神」は流行語となった。佐々木のメジャー移籍後は抑え不在に苦しんだが、2005年に来日したクルーンが活躍。

 クルーンの巨人移籍後は山口俊が抑えに定着し、2015年からは山崎康晃へと繋がっている。クルーンは巨人での成績は含まれているものの、この4人全員が通算100セーブ以上をマークしており、これだけ名クローザーが続いている球団は他には見当たらない。

 今回は主に平成以降の例を取り上げたが、令和では果たしてどんな鮮やかな系譜が描かれるのか。スター選手が引退、移籍した後のポジションにも注目してみるのも面白いだろう。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

[AERA最新号はこちら]