こうしたスタンスで仕事にも関わることができると、若手社員はストレスを感じにくく、かつモチベーションも上がりやすくなるといえるでしょう。部下との距離感や指導法に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

■ 競争心を煽ってはいけない

 少々古い曲になりましたが、『世界に一つだけの花』という歌のなかで「一人ひとり違う」という言葉がちりばめられ、大いに共感されました。このように、誰かと誰かを比べて評価をするという相対評価を嫌だと感じる風潮は変わらず続いています。

 多くの会社の人事評価は、相対評価でAやCなどとつけます。仮に営業部門の同じ部署のなかで、ほぼ同じ営業成績の人が5人いたとしても、A、B、C、D、Eの5段階でそれぞれ評価しなければなりません。その評価を上司はフィードバックします。

 一人ひとり違うはずですが、横並びにして比較されているのが現実なのです。ゆえに社員は違和感を抱きながら相対評価の結果を日々受け入れて仕事をしているのです。

 さらに上司はこの相対評価を利用して部下たちを煽ることがあります。
「このままだと同期の〇〇さんに昇進で負けるかもしれない」と言われたら、嫌でも意識せざるを得ません。もちろんそれによって頑張れる場面はあるのでしょうが、実はこうした煽りはモチベーションになりづらいのです。むしろストレスになり、ネガティブな発想が芽生えてきがちです。

 こうした相対評価の弊害で、社員が病んでしまうケースが生まれているようです。健全なライバル意識が持てずに自分が成績的に負けたら挫けてしまったり、成績で勝つためにハードワークで燃え尽きたりしてしまうのです。ついには退職者が増え、人手不足になった会社はいくつも生まれています。

 そこで、こうした弊害が生まれないように、こまめに仕事ぶりを確認し、絶対評価を行う会社が出てきました。1on1ミーティングと呼ばれ、上司と部下が1対1で行う対話を週に1回、最低でも月に1回実施し、その対話を積み重ねて絶対的な評価をするのです。

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自分は特別だと思いたい。その心理を巧みに活かす