「キム秘書はいったい、なぜ?」(18年)はパク・ソジュン主演。「梨泰院クラス」でのイガグリ頭が印象深いが、本作ではオデコを出して、自分大好きなナルシシストの副会長に。9年間付き添っていたキム秘書(パク・ミニョン)が突然仕事を辞めようとするのを、あの手この手で引き留めようとするラブコメ。「韓流ぴあ」露木恵美子編集長のイチオシ作品だ。
「『梨泰院クラス』と同様、『キム秘書はいったい、なぜ?』もウェブ漫画原作。『キム秘書~』でのパク・ソジュンは、原作キャラクターとのシンクロ率が200%と好評で、原作ファンからも認められた作品です。歯に衣着せぬナルシシストな名言に、見ているほうが恥ずかしくなり、いつの間にか、パク・ソジュンが素敵に見えてきます」
キム秘書役のパク・ミニョンは、若い女性のファッションアイコンとして人気の女優。放送・配信間近のドラマ「彼女の私生活」(19年)では、美術館のキュレーターとして完璧(かんぺき)に仕事をこなす傍ら、アイドルの追っかけをするオタクを演じる。
「ヒロインのような追っかけと韓国で遭遇しましたが、カメラに長い望遠レンズを装着してアイドルを撮ってました。現実を垣間見るようで興味深いです」(露木編集長)
パク・ボゴム主演の最新作「青春の記録」は、9月に配信開始予定。パク・ボゴムは8月31日に入隊が決まっており、入隊前最後のドラマとなる。
「大ヒット作『雲が描いた月明り』でブレークしたパク・ボゴムは、ペ・ヨンジュンの再来と呼ばれ、老若男女から愛される存在」(高橋チーフ)
今年6月、日本でも提供を始めた動画配信サービス「ディズニープラス」の話題作「マンダロリアン」は、スター・ウォーズの実写ドラマシリーズ。7月28日(米国時間)、第72回エミー賞の作品賞や視覚効果賞など15部門にノミネートされた。映画ライターの村山章さんが解説する。
「今年のアカデミー賞で脚色賞を受賞した『ジョジョ・ラビット』の監督など、第一線で活躍する一流の人たちが『マンダロリアン』を手掛けています。スター・ウォーズへの評価は毎回ファンの愛憎が渦巻くのですが、異例の高評価です」
第2次世界大戦中の海戦を描いた「グレイハウンド」は、トム・ハンクス主演・脚本の新作映画。映画館で公開されるはずだったが、新型コロナの影響により、上映を断念。「Apple TV+」で配信となった。
「トム・ハンクスは不本意だったかもしれません。ただ、今年は、大作が軒並み公開延期になっているなかで、最新作を観客に届けられたのは配信サービスのおかげでもあります」(村山さん)
又吉直樹の恋愛小説が原作の「劇場」は、7月17日に映画館と配信の同時公開という新しい試みに踏み切った。コロナ禍の夏休みが良作に出会う機会となってほしい。(本誌・岩下明日香)
※週刊朝日 2020年8月14日‐21日合併号