「愛の不時着」だけじゃない! 韓国の非地上波テレビドラマ史上最高視聴率をたたき出した「夫婦の世界」や常軌を逸したヒロインの「サイコだけど大丈夫」など注目作品が目白押しだ。“巣ごもり”夏休みに見るべきドラマを一挙紹介する。
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日本に「愛の不時着」ブームが到来する傍ら、韓国の今年上半期ドラマで話題沸騰していたのが、「夫婦の世界」。不倫された妻の復讐が描かれる。「韓国TVドラマガイド」の高橋尚子編集チーフはこう話す。
「演技賞の常連であるキム・ヒエが妻役。離婚した夫への復讐がウェットで、とにかく強烈です。見ている人は、怖いもの見たさでつい見入ってしまう作品です」
英国BBCのドラマ「女医フォスター 夫の情事、私の決断」のリメイク版で、韓国の非地上波テレビドラマ史上歴代最高視聴率28.4%を記録。日本でも7月から放送中だ。
次のおすすめは、ここ最近、ネットフリックスの総合トップ10にランクインする「サイコだけど大丈夫」。主人公(キム・スヒョン)は精神病棟で働く保護士。自閉スペクトラム症の兄を持ち、自分を抑えて生きてきた。だが、愛を知らない童話作家のヒロイン(ソ・イェジ)と出会い、突拍子もない言動に振り回されていく。
「『梨泰院クラス』のヒロイン(キム・ダミ)もサイコパス役で言葉にトゲがあり、周囲を困惑させるキャラクター。昔は男性のツンデレが流行(はや)っていたのですが、最近は、女性がツンデレで強めの設定が、単純なヒロインよりも多いです。男性は口数が少なく、いざという時にヒロインを守る役」(高橋チーフ)
主演のキム・スヒョンは、「愛の不時着」の脚本家による大ヒット作「星から来たあなた」(2013~14年)で人気を得て、本作が除隊後の復帰作となる。
「私の国」(19年)は、高麗末期から朝鮮時代に移り変わる激動の時代を生き抜く若者にスポットを当てた時代劇。ヤン・セジョン演じる主人公ソ・フィは罪人の息子として育ち、病弱な妹を守るために懸命に生きる青年。ウ・ドファン演じる親友に裏切られるも、友情を貫く。ヤン・セジョンを取材したことがある高橋チーフは語る。
「ヤン・セジョンは、甘い雰囲気の愛され弟キャラだったのですが、『私の国』では、激しいアクションでワイルドに熱演しています。役によって全く違う姿を見せてくれるのも魅力的です」