「半沢直樹」を演じる堺雅人 (c)朝日新聞社
「半沢直樹」を演じる堺雅人 (c)朝日新聞社
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<半沢直樹の影響だろうか、最近、月曜朝のMTGの部下各位のイキり具合がキツい>
<部署のおっさん連中上司に半沢の真似(まね)反抗してて草>

 SNSなどに最近、こんな内容の書き込みが相次ぐ。

 8月30日放送の第7話が視聴率24.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど、20%超えの人気を誇るTBS系ドラマ「半沢直樹」。冒頭の書き込みは、主人公さながらに上司に刃向かったり、たんかをきったりするといった現場報告だ。“なんちゃって半沢”が職場で増殖しているという。

「エンターテインメント、ファンタジー的な要素が、前作よりさらに強まっています。そこが一番の魅力でもあるのですが、その分だけ想像力が欠けやすいのか、現実との区別がつかずに、エンタメとしての悪のりを自分の都合のいいように受け止めている、という気がします」

 コラムニストでテレビ・ドラマ解説者の木村隆志さんはこう分析する。「結果的に自分がクビになっていた、というような危機的状況を招いていることに気づいていないのかなと」

 コロナ禍という特殊な環境が、こうした面を助長させたとも見る。「ネットと向き合う時間が増え、一方で人と向き合う時間は減ってしまいました。自分の感情を吐き出す場面が限られてしまうことが招いた現象とも言えるかもしれません」

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