「一年を通じて活躍した点を見れば平良が有利。特に開幕から圧巻の投球でチームを勢いづけたのは印象深い。ただ、昨年も一軍出場を経験している点を記者たちがどう見るか。与四死球の多さも気になります」

 一方の小深田はどうか。

「少し出遅れた感はありますが、一番に定着し、守備の要である遊撃のレギュラーを張ったことは大きい。ただ、盗塁成功率が低い(.654)のは、気がかりな点です」(同)

 別のスポーツ紙記者は「記者も人の子なので、どういう選手が好きかという感情的なものが働く部分もある」とした上で、こう語る。

「高卒から叩き上げの平良と、社会人から即戦力ルーキーとして鳴り物入りで入団した小深田。100キロの体重から繰り出される剛球で、三振を次々奪い相手をねじ伏せる『剛』の平良と、身長168センチと小柄で、ミートに徹する打撃と高い走塁技術、堅守が光る『いぶし銀』の小深田。そして21歳と25歳の年齢差をどう考えるか。ただでさえ投手と打者の違いがあるのに、アスリートとしてのタイプも違う。どちらかがCSに進んでいればまた印象も変わったかもしれませんが、これは難しいですよ」

 ここ10年で、高卒で入団した選手がその後、新人王を獲得した例は、2019年の村上宗隆ヤクルト)だけだ。

 さて、あなたならどちらを選ぶ?(AERAdot.編集部)

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