新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、新年が少しでもいい年になることを願いたい。そんな気持ちで初詣に出かけ、無病息災を願って御朱印をもらう人もいるだろう。ブームが続く御朱印の魅力と感染リスクを下げる郵送活用法について紹介する。
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「新型コロナという見えない敵を迎え撃つ際、日本人は神頼みをする傾向があります。その結果、寺社に参詣(さんけい)をする人や、写経をする人が増えています」
そう話すのは民俗学が専門で佛教大学教授の八木透さん。京都生まれの京都育ちで、御朱印に関する著書も数多い。
そもそも御朱印とは寺社で授与する墨書に朱の印があるもので、神社の場合は参拝した証し、寺院ではお経を納めた納経印のことをいう。今では、多くの寺院でお経を納めなくても御朱印をもらえる。ただ、納経しなければ御朱印(納経印)をもらえない寺院もある。
寺社で御朱印をもらうには御朱印帳が必要になる。では、神社と寺院で御朱印帳は使い分けたほうがよいのか。
「神社とお寺で御朱印帳を分けなければならないという決まりはありません。ただ、気になるのなら分けたほうがいいでしょうね」
『京都たのしい御朱印カタログ』の著者で、京都の250を超える寺社をめぐって御朱印を集めたライターの片山直子さんは、そう話す。
日本は古来、神仏習合の考えがあり、神社と寺院が同居していた。しかし、明治に入り、神仏分離で別々のものになった経緯がある。古いしきたりにのっとれば同じ御朱印帳でもよいのだが、寺社によりまれに断られる場合もある。そうしたことを防ぐために分けたほうが無難だ。
御朱印をもらう際には、先にお参りすること。その後、お守りやお札の授与所、寺院では納経所などでもらう。書いてほしいページを開いて帳面を渡すようにする。金額は300~500円程度で、神社では初穂料、寺院は志納金という。お気持ちでという寺社の場合も、この金額が相場と考えればよい。