確かに、ソフトバンクに4連敗した日本シリーズでも気になるシーンはあった。象徴的なのが第一戦の二回無死一塁、5番打者の栗原陵矢を迎えた場面だ。マスクをかぶっていた大城はスライダーを3球続けて要求したが、その3球目が甘く入り一発を浴びた。結果論ではあるが1、2球目はボールで、細心の注意を払うべきバッターカウントでの痛恨の一球となってしまった。
「大城は配球のポカが目立つ一方で、打撃では頑張ったと思います。私がなによりもどかしく感じるのは、小林ですよ。彼が入団した時(13年ドラフト1位)、『これで巨人の捕手は10年間は安泰だ』と球団内で言われたほど期待は大きかった。ところが、あれほどの強肩と守備力を持ちながら、リード面、コミュニケーションの面で成長できていません。コーチの話をちゃんと聞いて学ぼうという姿勢がなく、自分の頭の中だけで考えて失敗するということを繰り返しています。いつまで期待を裏切り続けるのか。本当に巨人のユニホームに誇りを持ってやっているのか。そのくらいのゲキを飛ばしたい思いです。原監督も評価は厳しいですよ。2軍落ちさせたのも『心を入れ替えて来い!』という親心です」
チーム勝ち頭の菅野がいない可能性がある21年シーズン。昨季9勝を挙げブレークした戸郷翔征も、他球団のマークが一層厳しくなるだろう。
「捕手力」の上積みがなければ、思わぬ苦戦を強いられるかもしれない。(AERAdot.編集部)