石原慎太郎・維新の会共同代表(80)の三男・宏高氏(48)に選挙違反にかかわる疑惑が浮上している。朝日新聞(3月14日付)によると、宏高氏はフィリピンでカジノリゾート開発を計画するパチスロメーカー「ユニバーサルエンターテインメント」(UE社・旧名アルゼ)から先の衆院選で社員3人の派遣を受け、その際、3人の給与、経費はUE社から支払われたという。候補者と企業側が共謀し、社員に選挙運動を命じ、給与を支払うと、公職選挙法(運動員買収)に抵触する可能性があるのだ。
宏高氏は翌15日付で、「有給休暇のボランティア社員であったとの事実を確認しました」と文書で反論した。双方の言い分は異なるが、週刊朝日はUE社が選挙直前に作成した「選挙応援の件(ガイドライン)」などの文書を入手。そこには派遣実態が生々しく記されていた。
「原則として通常勤務扱いで対応する」「日々の勤務状況や内容については、本人が上長宛てに適宜メール・電話等にて報告し、状況により上長が勤怠管理システムに代理入力を行う」
さらに驚くべき指示は、「会社の命令によって選挙応援を行わせるのではなく、あくまでも会社が自ら手を挙げるボランティアを募集して行わせるとの建付(たてつけ)にする」というもの。仮に宏高氏が直接関与していなくても、選対幹部が立件され、有罪になれば、連座制の適用で当選無効となり、政治生命の危機に直面することになるのだ。
UE社と宏高氏との“関係”はこれだけではない。宏高氏の妻が代表を務めるファミリー企業「IMS」は2011年6月、UE社から毎月100万円を受け取るコンサルタント契約を結び、昨年末、宏高氏が当選するまで計1800万円が実際に支払われた。
※週刊朝日 2013年4月5日号