エルヴィス・コステロが、2021年1月25日に公開されたApple Musicのインタビューで、1977年に米人気番組『サタデー・ナイト・ライブ』(SNL)に出演した際、トラブルを起こして10年以上出禁になっていた一件について振り返った。
自身のバンドであるジ・アトラクションズと1977年12月17日に『SNL』に出演したコステロは、「ウォッチング・ザ・ディテクティヴス」のパフォーマンスの次に、レーベル側から指定されていた「レス・ザン・ゼロ」を演奏し始めた。ところが、ほんの数小節で“ストップ!”とバンドを止めた彼は、「申し訳ないが皆さん、ここでこの曲を演る理由がない」と述べた上で、急遽「レイディオ、レイディオ」を代わりに演奏した。商業化された放送局を痛烈に批判しているこの楽曲を生放送で披露することを、『SNL』のプロデューサーであるローン・マイケルズが事前に知らされていなかったため、コステロは1989年まで同番組に出演することができなかった。
ゼイン・ロウとの会話の中で彼は当時について、「自分たちのことを覚えてほしかっただけなんだよ。別に番組そのものに恨みがあったわけじゃないんだ。正直、NBCに対してというよりは、レコード会社にこの曲を演奏しろって指図されたことの方がムカついてたんだよね。自分がやろうとしていたことを伝えていたかまでは覚えてないけれど、“俺を見てろよ”とだけ言った気がする」と振り返っている。
この件についてコステロは以前、故ジミ・ヘンドリックスの真似をしたと発言したこともある。ヘンドリックスは1969年1月4日に出演した英BBCの生放送番組で、打ち合わせで指定されていた「ヘイ・ジョー」の演奏を途中でやめ、段取りを無視してクリームの「Sunshine of Your Love」を番組終了まで演奏し続けたことでBBCを出禁になった。
Apple Music AlternativeのElvis Costello Essentialsプレイリストに、「ウォッチング・ザ・ディテクティヴス」と「レイディオ、レイディオ」が追加されている。