大地:こちらこそです。私も「この役、合うんじゃない?」って人から言われたことがあって。

林:えっ、そんなことを言う人がいるなんて信じられない(笑)。

大地:私は一足お先にクランクアップしたんですけど、あの「最高のオバハン」で勉強させていただいたことが、今度の「ローズのジレンマ」でも生かせてるかなと思ってるんです。

林:ほんとですか。そんなうれしいことを。大地さんって、今度のお芝居のチラシにも「類まれな美貌とコメディセンスを兼ね備える名優」って書いてありますけど、この外見にコメディーセンスって、ちょっと意外ですよね。コメディーがお好きなのは昔からですか。

大地:類いまれな美貌は言いすぎですね(笑)。そうですね、どんなにシリアスな作品でも、お客さまがクスッと笑えるポイントをみたいなことは、昔から意識してましたね。自分が舞台を見ていても、グーッと力が入ったまま見なきゃいけないものは苦手で、クスッと笑える部分が絶対に必要だなと思ってました。

林:大地さんみたいな、「まさかこんな美しい人が」と思うような人が、クスッとするような演技をしてくれるから、何倍もの大きな笑いになるんですよね。

大地:私、出身が関西(兵庫県・淡路島)ですからね。小さいときからテレビで吉本新喜劇なんかを見て育ってる部分があって、もともとそういうのが好きなんでしょうね。「間」とか「ツッコミ」とか。

林:大地さんが新喜劇なんて、意外です。今度の「ローズのジレンマ」も、クスクスッという笑いがいっぱい起きるんでしょうね。ぜひうかがわせていただきます。

大地:ぜひぜひ。お待ちしております。

(構成/本誌・松岡かすみ 編集協力/一木俊雄)

大地真央(だいち・まお)/1956年、兵庫県生まれ。宝塚歌劇団月組トップスターとして活躍。85年の退団後、女優に転身。舞台や映画、ドラマなど数々の作品で活躍。最新主演舞台「ローズのジレンマ」は、2月6~25日、シアタークリエ(東京)で上演。4月から林真理子さん原作のドラマ「最高のオバハン 中島ハルコ」(フジテレビ系オトナの土ドラ)で主演を務める。

週刊朝日  2021年2月5日号より抜粋

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