森・川淵会談により、川淵氏後継の流れを完全に作り、森氏の思惑通りに事態は進んだという。
「川淵氏から『就任の条件として森氏が名誉職として残ること』を提案させた上で森氏は了承。ここまでは森氏ペースだったが、IOCサイドが川淵氏に強く難色。理由は過去の差別的発言などでした。この一撃で事態が動きました」(前出の自民党関係者)
そんな中、ワシントンポスト紙は<森会長が女性蔑視発言の撤回、謝罪会見を開いた後に、当初、政府関係者や自民党幹部などが“続投”を後押ししていたことを「日本の古参で保守的な男性エリートの当初の反応は(社会の)怒りに耳を貸そうとしないことだった>と批判。さらに森氏が後任に川淵氏を選んだことについても一部から疑問の声が出ていることも紹介した。川淵氏はこうした流れの中で会長を辞退し、新会長選びの混乱は今も続いている。
内外のメディアからはこのままだと東京五輪の開催可否の重大判断がきちんとできない可能性も懸念されている。(本誌取材班)
※週刊朝日オンライン限定記事