「ウイルスに政治的な思惑は通じません。私たちがウイルスに合わせて考えるべきなのです」
ウイルスが何であるかを見極めず、人間の都合、政治の都合、カネの都合、IOCの都合で楽観的にコロナ対策をしてきた日本政府や東京都の失策は、罪のレベルだと私は思う。「最悪」を真剣に語る医師や、科学的知識で思考する鳥取県知事の話を聞き確信する。政治家に必要なのは最悪を想定できる悲観に満ちた想像力と、酷使に耐えられる頭脳と知識だ。いらないのは、政治家の楽観と思惑、そしてコロナ禍の東京五輪でしょう。
■北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表