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iDeCo(個人型確定拠出年金)は金融機関選びがつみたてNISA以上に大事。各社で投資信託は40本以下に絞られており、買いたい投資信託があるとは限らないからだ。本記事では「AERA Money 2022秋冬号」に掲載の金融機関別・iDeCoランキングを大公開。
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楽天証券でiDeCo口座を開いて「eMAXIS Slim米国株式(S&P500))をiDeCoでも積み立てようとしたら、なかった。SBI証券のiDeCoで「楽天・全米株式・インデックス・ファンド」を積み立てようとしたら、なかった。
初心者がiDeCoをはじめるとき、よくあるネガティブサプライズだ。
つみたてNISAはネット証券各社でほぼすべての投資信託が選べるが、iDeCoはどこの金融機関も多くて40本以下に絞られているからだ。
いち早くiDeCoをスタートしたSBI証券、楽天証券よりも、少し後からiDeCoをはじめた金融機関のほうが品揃えが比較的新しかったりするのである。
iDeCoの品揃えに関して、インデックス投資アドバイザーのカン・チュンドさんに聞いた。どのネット証券の品ぞろえを、より高く評価しているのだろう。
eMAXIS Slimシリーズ
全13本が揃う松井証券
「2018年3月にiDeCoを開始した松井証券はいいですね。『eMAXIS Slim』シリーズ全13本、すべてが買えます。『楽天・全米株式インデックス・ファンド』『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』にも対応し、良心的です」
2022年8月現在、SBI証券がiDeCoの加入者数ナンバーワンだが、こちらの品ぞろえに関してはどう思うか?
「SBI証券のiDeCoもいいですね。2021年6月に新設した『SBI・V』シリーズも買えればいいのですが、SBI・Vシリーズは新しい投信ですから仕方ないですね。
個人的に好きなのは同社で買える『iFree年金バランス』です。日本の公的年金とほぼ同じ資産構成で運用する投信で、日本と海外の株式、債券を25%ずつ。公的年金に倣った運用は、iDeCoも年金制度なので腹落ちします。
バランス型投信はリタイア前などリスクを抑えたくなったときに重宝します」
マネックス証券も2017年9月にiDeCoを開始しているため、新しい低コスト投信が多い。大人気の「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」をiDeCoで買えるのは同社と松井証券だけだ。
おもしろいのはauカブコム証券のiDeCo。対象投信(「auスマート」シリーズ)の保有残高に応じてPontaポイントがもらえる。
ここまでに名前を挙げたネット証券5社は、iDeCoに関する手数料が「月171円」のみ。この171円は国民年金基金連合会などに支払うもので、金融機関側は余計な手数料を取っていない。