小林氏に限らず、ミュージシャン・小山田圭吾氏、絵本作家・のぶみ氏と、東京五輪・パラリンピック関連イベントにかかわるクリエイターの離脱が相次いでいる。
組織委の武藤敏郎事務総長は「任命責任はあるが、我々が一人一人を選んだわけではなかった」などと釈明。今回の騒動は「電通など大手広告代理店へ全て丸投げしているツケです」(組織委関係者)という。
「実際、小林氏を起用したのは、タレントの渡辺直美の『オリンピッグ』案で解任された“クリエイターの天皇”と呼ばれる元電通の佐々木宏氏。小山田氏も佐々木氏とのつながりで起用されたと聞いています。そもそも五輪という国際イベントで障害者への差別、ホロコーストなど絶対にご法度なのにどんな身体検査をして起用したのか。広告代理店に丸投げした組織委はもとより、官邸のリスク管理の甘さが露呈しました」(同前)
東京五輪という世界中が注目する大舞台で不祥事が相次いだ上、都内の感染拡大が止まらない。
21日にあった東京都のモニタリング会議では1週間平均の新規感染者数は8月上旬には第3波を上回る約2600人になるとの予測が示された。感染力の強いデルタ株の割合も3割に到達し、増加ペースがさらに増すと、「2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と専門家は予測している。連日、選手村からも感染者が相次ぎ、下手すれば、五輪の中止も危惧されている。
「そもそも菅首相自身が周囲の意見を聞かず、解散総選挙と支持率upのため、強引に五輪開催を決めて、突き進んだ結果が今の惨状です。都合のいい時だけ『挑戦するのが政府の役割』、都合が悪くなると『私は五輪主催者ではない』ですからね。五輪の言い出しっぺの安倍前首相も開会式を欠席してしまった。菅首相は完全に孤立しています」(自民党関係者)
東京五輪開催がこれ以上、日本にとって「黒歴史」にならぬよう祈るばかりだ。
(AERAdot.取材班)