佐藤:恐らくまだ1年以上続く長期戦になりますからね。とにかく、お金の問題に関しては、国債を刷って、これは将来につけ回すことになりますが、これはやむを得えない。それぐらい腹くくらないといけないですね。例えば、アルコールを提供するなと言っても、そのモラルだけで守れることって限界があるんです。だからこそ具体的に補償しないといけない。それには財源が必要です。
こういうような形で、財政が不健全な状況になっているということは、確かに危ういんです。しかし、今出血しているわけですから、止血のほうが先ですよ。その血を止めるというのは何かというと、迅速なワクチン接種とお金を給付することです。この二つを徹底すべきです。
池上:結局、コロナとオリンピックの両方で、日本社会のさまざまな悪弊、矛盾、弱点が浮き彫りになりました。
日本って本当にこんな国だったのかっていうことを、私たちは改めて正しく知ることができた。オリンピックのさまざまな出来事は、そのきっかけになったんだと思います。
(構成/編集部・三島恵美子)
※AERA 2021年8月16日-8月23日合併号より抜粋