食事制限に運動という正統派ダイエットもいいけれど、もっと楽に痩せたい。夜に食べるだけ、グッズをつけるだけの夜をテーマにしたお手軽ダイエットを実践してみた。AERA 2021年8月30日号から。
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せっかくの夕飯だもの。おいしいものを食べるだけで痩せたい。
スーパーの店頭から、バナナが消えた伝説が知られる「朝バナナダイエット」が最初に流行したのは、2008年ごろのこと。朝食はバナナと水のみ。ただし、好きなだけ食べていい。そんなお手軽さで一世を風靡(ふうび)し、08年のバナナの輸入量を、前年比でなんと10%以上も押し上げてしまったという、食べ物ダイエット界のレジェンド的な存在だ。
■トマトに救いを求める
その後、朝キウイダイエットだの、朝リンゴダイエットだの、さまざまな“朝モノ”が登場したが、実はバイブルとなった『朝バナナダイエット』(はまち。著)には、同じぶんか社から出版された姉妹本があった。09年発売の『夜トマトダイエット』(唐沢明著)だ。
「朝バナナ」のほうは、その後も忘れたころに何度かプチブームが来たが、こっちはどうなの?と、古本を買って、トライしてみることにした。
やり方はいたって簡単。夕飯に、トマトを使った料理を加えるだけでいい。
量は1回の夕食で、大きめトマト2個分くらいが推奨だが、なければトマトジュースはもちろん、何ならトマトケチャップでもOK。リコピンや食物繊維が血液をさらさらにして代謝を上げ、「ダイエットしやすい体になれる」という。
これだけなら、いつトマトを食べてもいいわけだが、「夜」をうたう理由は、寝ている間に分泌される成長ホルモンをターゲットにしているからだ。トマトを夜食べて、豊富な栄養分を補給することで、脂肪を分解する成長ホルモンの分泌をアップさせようということらしい。
ブームの後、リコピンの吸収率は、夜より朝のほうがいいという「夜トマトダイエット」にとってのバッドニュースもあった。そのぶん夕食では、リコピンの吸収率が上がるよう、油を使ったり、加熱したりして食べることにした。