──菅首相が掲げていた「自助・共助・公助、そして絆」のスローガンから転換すると。

 自助は大切ですが、コロナ禍では多くの人が仲間や家族、地域の絆の大切さを感じたと思います。人間のつながりを大切にし、多様性を尊重し、温かみを感じられる社会を目指したい。

 また、富の分配によって国民の一体感を取り戻し、社会や政治の安定をもたらすこともできます。

──今、日本にはどんな政策が必要ですか。

 まずはコロナで打撃を受けた方々への経済的な支援です。数十兆円規模の予算を組んで、コロナで被害を受けた業界、あるいは非正規雇用で失業した方などへの経済支援が中心となります。

──財政出動の規模は?

 現在、日本の需給ギャップ(日本経済の潜在的な供給力と需要の差)は20兆~30兆円程度だと言われています。まずは、そのあたりの金額で財政出動をするイメージですね。

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──政府は、2025年度に国と地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化する目標を掲げています。

 財政は国の信用の礎ですから、「財政再建」の旗は降ろしません。しかし、原則は「経済あっての財政」です。まずは経済再生、そのうえで財政を考える。これが順番です。その過程で、25年度の財政はどういう状況になるのか。これは、経済再生をスタートしながら考えるべき課題です。

──国際政治で影響力を高めている中国とどのような外交をしますか。

 今、国際政治では中国をはじめとする権威主義的勢力の動きが活発になっています。中国と日本は隣国ですので対話は続けますが、基本的人権、民主主義、法の支配といった価値については、言うべきことはしっかりと言わなければなりません。

 特に、東シナ海や南シナ海における中国の力による現状変更が続いています。それを防ぐために米国、欧州、インドやオーストラリアといった国々と連携しながら中国に対応していく必要があります。

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