はっぱ隊の葉っぱって何の葉っぱ?(Getty image)
はっぱ隊の葉っぱって何の葉っぱ?(Getty image)
この記事の写真をすべて見る

「やった やった やった やった 息を吸える 息を吐ける」

【写真】SNSで共演を望む声が急増している芸人二人とは…

 新型コロナウイルス感染が1年半以上経過しても収束の兆しが見えない中、ある楽曲が意外な形で反響を呼んでいる。20年前に放送されていたバラエティー番組「笑う犬の冒険」で生まれたコント集団・はっぱ隊が2001年4月にCDデビューしたシングル「YATTA!」だ。

 はっぱ隊はウッチャンナンチャンの南原清隆をリーダー(隊長)に、ネプチューン、ビビるの芸人6人で結成。ウッチャンナンチャンの内村光良演じる男が大学入試で失敗、リストラに遭うなど落ち込んだ際に登場し、股間を隠す葉っぱ1枚で6人が「YATTA!」を歌って激励する。人気アーティストの郷ひろみも同番組に葉っぱ1枚で登場し、はっぱ隊と共に踊り、人気ロックバンド・氣志團もメンバー全員がはっぱ隊の扮装をしてライブで「YATTA!」を歌うパフォーマンスを披露するなど人気を呼んだ。ユニークな楽曲とコミカルな動きは海外でも人気を呼び、はっぱ隊の真似をしたパフォーマンスが流行した。ただ夢だった紅白歌合戦の出演は叶わず、「格好がアウトなのか」、「盛り上がる曲なのに」と惜しむ声が聞かれた。

 ヒットした当時は、はっぱ隊のビジュアルと耳に残るリズムが話題となったが、20年以上経った現在、この曲に対してSNS上で再び書き込みの数が増えているという。その理由は歌詞にある。「『息を吸える 息を吐ける』ことの幸せをコロナ禍でかみしめている。昔は笑ってこの曲を聞いていたけど、今は歌詞が心に刺さって涙が出た」、「『君も変われば 世界も変わる』って深いよな。自分が目で見れる所が自分の世界なわけだから俺が変われば世界も変わるよなぁ」などのコメントが。

 歌詞について音楽関係者は、こう分析する。

「YATTA!の歌詞が再評価されているのは、閉塞感漂った当時とコロナ禍の現在が重なるからだと思います。CDが出る前年の00年は森喜朗内閣が発足しましたが、01年4月に内閣総辞職するまで内閣支持率は低く、米国同時多発テロ事件も発生しています。YATTA!の歌詞には『平成不況』、『政治不信』と現在も共感できるようなフレーズが見られます。この楽曲は浮かれてはしゃいでいるのではなく、暗いご時世でも日常の幸せをかみしめて生きていこうと深い意味が込められているのです」

次のページ