小室圭さんと眞子さんがメディアに出した文書
小室圭さんと眞子さんがメディアに出した文書

 皇室典範は、皇位継承者を「男系男子」に限っている。現在の資格者は秋篠宮さま、秋篠宮さまの長男の悠仁さま、常陸宮さまの3人。このうち現在の天皇陛下の「次の世代」は悠仁さまだけだ。皇族の数を確保するために「女性宮家」「旧宮家の男系男子の皇籍復帰」などが検討されているが、論議の先送りが続いている。

 仮に女性宮家や旧宮家の復帰が実現したとしても、悠仁さまの次の世代の皇位継承を確かなものにするには、皇族の結婚問題を避けて通ることはできない。戦後、皇族の結婚相手はずっと民間から選ばれてきた。今後、皇族の配偶者になることを打診される人も民間人だろう。その人たちは、皇室を出ていく眞子さまでさえ耐えられぬほどのバッシングを受けたことを記憶しているに違いない。

 これから皇室に入るとなれば、ネットの投稿者が勝手に言い募る「皇室の品位」「国民の期待」を果てしなく押し付けられることになる。その重圧を覚悟のうえで結婚を決意する人がどれほどいるだろうか。

 皇室がこの難問に直面する日は遠からずやってくる。政府が一日も早く打開策を講じなければ、皇室はいっそう先細りになるのではないかと恐れている。

(清水建宇 元朝日新聞宮内庁担当記者)