漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「日本沈没─希望のひと─」(TBS系 日曜21:00~)をウォッチした。
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小松左京原作のSF小説がまたも映像化。主人公は潜水艇の操縦士・小野寺ではなく、環境省官僚・天海啓示(けいし、小栗旬)だ。なんだその「天の啓示」みたいな名前。
日本は沈むのか、沈まないのか。各省庁の官僚や学者が集って会議を重ねる展開は、ゴジラ映画ながら一貫して閣僚、官僚、自衛隊など公務に携わる人々の視点で話が進む「シン・ゴジラ」っぽい。「シン・日本沈没」?
しかし映画なら2時間でゴジラも暴れ尽くして止まるけど、このドラマは2話の時点で沈没したのは島ひとつ。灯台も倒れずに、舞台のセリが下がるみたいにスーッと沈んだ。島ってあんな安らかに沈むもの?
この島がきっかけで、これから日本はどんどん沈むよ説を唱えるのが地震学者・田所(香川照之)。
同枠の「半沢直樹」で「銀行沈…没、頭取も沈…没!」なんて言ってた香川が今度は「関東沈没!」を連呼ですよ。沈没ならおまかせ俳優か!
しかもそのセリフまわし。「すべてはあ~あ~、私の~予知した通りだあ~あ~」。語尾がね、全部ワナワナしてる。声の地殻変動?
香川だけかと思ったら、潜水艇調査の重要なデータを改ざんした国土交通省の官僚・安藤(高橋努)まで。「私の指示はあああ総理の指示だあああ、そう言われてえええ! 愚かにもおおお私はあああ」。どうした安藤!