そして、鬼滅は先人たちが残してくれた大事なことに気付かせてくれます。鬼滅が一つのきっかけになって、今年のお盆から、亡くなった祖父母や曽祖母など、ご先祖様の写真を家に飾るようになったんです。飾った写真を見て、ママのひいおばあちゃんはこういう人で、炭治郎と同じぐらいの年、という話をして。親子でお供えして、ご先祖さまにありがとうと言っています。
――実際の子育てで「鬼滅の刃」が役に立っていると感じることはありますか。
娘に「自分の考えだけが正しいと思い込むのは良くない」と教えるために、鬼無辻無惨を例にあげて言い聞かせたことがあります。「皆、それぞれ考え方は違う。自分の考えと違う人はみんな悪いっていう考え方は、無惨さまだよね」と言うと、「わかった」と言って聞いてくれた。ほかにも食事の時など生活のいろいろなシーンで鬼滅を例に出していて、そうすると素直に聞いてもらえるんです。
――鬼滅の作中では、子どもにとって難しい言葉もたくさん登場します。
自分の経験を振り返ってみても、マンガから覚えた言葉ってすごく多い。5歳前後の子が、「生殺与奪」って言葉はなかなか使わない。日常生活に役立つ言葉であろうとなかろうと、いろんな言葉を覚えるのはいいことだと思います。小さいころに知らない言葉を覚えていくと、脳のストレージが増えていくらしいと聞いたことがあります。だから「水の呼吸」の型を全部言えるとか、将来使うことはない言葉でも、脳の発達にはいいんじゃないかなって。
――眞鍋さんご自身も、小さい頃からアニメや漫画に親しんできたそうですね。
私はドラゴンボールにハマったのが、娘が鬼滅を見始めたのと同じ5歳ごろでした。ドラゴンボールと一緒に20歳ぐらいまで成長してきて、悟空のことを第二のお父さんだと思っていて。娘も同じように、最後の無限城編が映像化されるまで、作品と一緒に成長していくのだと思います。私も、娘と最終回を見終えるまでは絶対に死にたくないんです。車もすごく気をつけて運転するし、健康にも気をつける(笑)。鬼滅は生きるモチベーションです。
――12月5日からはアニメ第2期の「遊郭編」がスタートします。
めちゃくちゃ楽しみです!これまで天元様は最推しではなかったのですが、私は単純なので、映像で戦っている姿を見たら、天元様の4人目の妻に志願しそうな気がします(笑)。天元様ファンは、これから絶対増えますよね。毎週、新しい話が観られるなんて幸せすぎて倒れそうですが、体調に気をつけながら楽しみたいと思います!(構成/AERA dot.編集部・飯塚大和)